内容説明
ようこそ、めくるめく嫉妬の世界へ!なぜ人は嫉妬を抱いてしまうのか。俗物研究者(!)としても定評のある著者が、ありとあらゆる嫉妬エピソードを紹介。嫉妬と向き合うためのヒントが満載。
目次
誰もが感じる嫉妬のひらめき
世界を動かす嫉妬の力
となりの芝が青いから…
女性たちよ、ようこそ嫉妬の世界へ!
運がよくても嫉妬をされる
いつかは若さに嫉妬する
仮面の下に潜んだ悪意
終わりなき嫉妬の社会
誰もが誰かのユダヤ人
他人の不幸はどんな味?
あんな葡萄はどうせ酸っぱい
嫉妬の毒を薄めるために
野心を抱き、嫉妬も抱き
嫉妬からの自由を求めて
著者等紹介
エプスタイン,ジョゼフ[エプスタイン,ジョゼフ][Epstein,Joseph]
1937年アメリカ、シカゴ生まれ。編集者、エッセイスト。“The American Scholar”の編集者として活躍。また、1974年から2002年までノースウェスタン大学の講師も務めた。“The New Yorker”“New York Times Magazine”など多くの紙誌にエッセイ、評論を寄せて人気を博す
屋代通子[ヤシロミチコ]
1962年兵庫県西宮市生まれ。横浜育ち。大学で国語を学んだ後、出版社で翻訳校正業務に携わり、翻訳の道に入る。現在は札幌市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小木ハム
10
嫉妬・妬み書籍強化月間その②。もう少し科学的な視座を期待していたけれど、偉人が残した嫉妬にまつわる言葉の紹介にとどまるものが多かった。本文にもあるように『嫉妬はその性格上、変幻自在で偽装に長けており、この問題についてあまり研究が進んでいない』が理由なのだろう。よく年配者が言う『昔は~だった』『今時の若いもんは』は古今東西を問わずあるようなのだけど、これが若さや恵まれた環境に対する妬み感情から来ているのであれば、嫉妬は人間の本質であり普遍的なものだ、と言えると思う。古代ギリシャ人は正しかったのじゃ…。2022/05/10
viola
7
7つの大罪シリーズ(なんてまた面白いものがあるらしい)のうちの一つ。七つの大罪。どうもこれが魅力的で、興味があります。いや、そもそも人間のそういう感情に興味があると言ったほうが正しいかも。7つの中で断トツで好きなのが、嫉妬。あのドロドロ感がもうたまらない!!!(?)作者と翻訳者の相性が良いようで、何とも読みやすい文体。「嫉妬」という感情に嫉妬したくなる。・・・分かる気がします。満足のいく面白さ。2012/02/17
いのふみ
3
学術的な本というより気の効いたエッセイという感じ。しかし、読むうち、嫉妬するのがアホらしくなってくる効果はある。2022/06/26
ぐだぐだ
1
身を焦がすような嫉妬に苛まれたこと。飼いならせるようなものではなかった。ギリシャ人は制度で薄めようとして、キリスト教は教義で根絶しようとした。嫉妬と人間を切り離すことができない以上、その扱いにはより敏感にならねばなるまい2019/07/25
kuadnis
1
欧米の文豪や哲学者を中心とした著名人たちが自らの中の嫉妬という問題にどう対処したか・どういう言葉をのこしたかというのが綴られていて個人的には面白かったです。文化が違っても嫉妬を皆感じているのかと思うと親近感がわく気がしますよね。ただ、嫉妬をどう解決していこうかみたいな具体案はほとんど触れられていないので注意 「ルサンチマンを生み出す最大の要素は無力感」 「陶片追放は嫉妬を薄めるための手段」 というのは新たな気づきでした…。2016/07/29