内容説明
遺伝学でわかったアユのすべてを、最新の研究データをもとに解説。アユの過去(遺伝子)を解明すると、アユの未来がみえてくる。全国のアユの類縁関係などから、意外な事実がわかってきた。天然アユを保全・保護するための、漁業、養殖、遊魚、自然保護に携わる人の必読書。研究者のために、これまでのアユ研究の論文リスト、研究・分析法を巻末に収載。
目次
アユのルーツと生態
海産アユと湖産アユ―両側回遊型と陸封型
希少種リュウキュウアユ
ダム湖で発生した新しい集団
天然海産アユの地域性
中国のアユ―東アジア集団の地理的分化
稚魚は母川回帰するのか?
放流魚を追跡調査する
人工種苗の健苗性
健苗性にかかわる遺伝的な要因
健苗性にかかわる環境問題
これからの人工種苗アユの使い方
アユの恵みを享受しつづけるために
著者等紹介
谷口順彦[タニグチノブヒコ]
1943年、京都市生まれ。京都大学大学院農学研究科博士課程修了(農学博士)。高知大学農学部栽培漁業学科助手を経て、1985年同大学教授、1999年東北大学大学院農学研究科教授、2007年より福山大学生命工学部海洋生物科学科教授。専門は、魚類の増殖学、魚類の遺伝育種学。アユ研究のきっかけは、高知で土佐のアユにふれたこと。このときに友釣りを覚え、アユの魅力にとりつかれる
池田実[イケダミノル]
1964年、広島県生まれ。東北大学大学院農学研究科博士後期課程修了(農学博士)。1993年東北大学農学部教務職員として就職後、助手、助教を経て、東北大学大学院農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センター准教授。専門は、水圏生物の遺伝生態学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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