内容説明
いつから私たちは、水道水をあきらめ、ガソリンよりも高いミネラルウォーターを買い求めるようになったのかなぜ水道水は飲料水としての信頼を失ってしまったのか安くておいしい水道水ができないのは、水道原水の汚染が原因ではなく、これまでの物理的水処理の方法に問題があったからだった。ヨーロッパで200年、日本の水道事業でも100年以上の実績を持つ「生物浄化法」を使えば、おいしく、安全な水道水が、これまで以上に安くつくれるのだ。安全な飲み水に困る途上国でも、「生物浄化法」を使えば、村人たちが、自分たちで水道施設を建設、維持管理できる。本書では、「生物浄化法」の第一人者である筆者が、90章にわたって、この水道水復活の切り札技術をていねいに解説する。
目次
塩素臭い水道水は信用されていない
おいしい水道水の研究のきっかけ
「ゆっくりの砂ろ過」では説明できない細菌除去
緩速ろ過法は生物浄化法:新しい名前を
新しい名前、新しい考え
調査研究協力依頼、お抱え学者になりたくなかった
上田市は、大正12(1923)年から英国式を採用した
生物浄化法(緩速ろ過処理)の面積効率は良い
薬品処理の急速ろ過処理は面積効率が良くない
コマーシャルフィルターとナチュラルフィルター〔ほか〕
著者等紹介
中本信忠[ナカモトノブタダ]
1942年東京都世田谷区で生まれる。1965年東京都立大学理学部生物学科卒、同大学院で微生物生態学、藻類の繁殖と栄養塩に関して研究。また、海洋の植物プランクトンの研究、ダム湖での淡水赤潮の研究をした。1975年信州大学繊維学部助手、1981年助教授、1990年教授。ブラジルのダム湖や自然湖の研究、インドネシア科学院陸水研究センターへの協力、MBOD法という新しい水質評価法の開発などをしてきた。また、上田市、高崎市、三原市、平良市、名古屋市、高松市などの浄水施設の改良などへの助言、スリランカ、インドネシア、バングラデシュ、ナイジェリア、ベトナムなどの浄水施設建設にあたって、協力助言などをしてきた。2005年には、藻の繁殖に注目した緩速ろ過技術で愛知万博「愛・地球賞」を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。




