内容説明
生命倫理問題には、唯一正しい答は存在しない。しかし、ヒトゲノム解析、クローン人間、ヒトES細胞の問題など、生命科学の進歩にともなって、日本社会として待ったなしの対応が迫られている。なぜ、ある見解が採られ、どのような議論のもとで、規則や法律が出来るのか。最前線の研究者、大学・研究機関の事務担当者、企業の法務、研究開発担当者から生物学を学ぶ学生までを対象にした、待望のハンドブック。
目次
第1部 総論(生命科学・先端医療への期待と不安;日本の生命倫理政策の検討体制;外国の生命倫理政策の検討体制;法律と指針;機関内倫理審査委員会;社会的合意;生命倫理の基本原則)
第2部 各論(ヒトゲノム・遺伝子解析;クローン技術;ヒトES細胞;ヒト胚;ヒト細胞バンク;組換えDNA技術;先端医療技術)
著者等紹介
菱山豊[ヒシヤマユタカ]
1985年東京大学医学部保健学科卒業、同年科学技術庁に入庁し、原子力安全規制、宇宙開発、基礎研究、海洋開発等の行政に関わる。1995年から3年間、在ドイツ日本大使館で科学技術担当書記官。2001年1月から文部科学省研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室長。2003年3月からは政策研究大学院大学客員教授を兼務。2003年6月から同大学教授(科学技術政策論、生命倫理論)
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感想・レビュー
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zoe
18
2003年。生命倫理を考える講義。政策として考える。公に理解を深める。ES細胞とは何か、人とは何か。この本を読むとiPS細胞が、悩ましい問題を一気に片づけたことが分かる。煩わしい議論、誰もが避けたい議論が不要になったかもしれない。遺伝子組み換え生命が、巷にあふれていいのか。人はいつから人なのか、受精した瞬間からか、では受精した瞬間とはどういうことか。受精卵を実験するのは駄目なのに、中絶で何十万の胎児を殺すにのは問題ないか。自分の身の回りや、実際の対象を知っていたりする。そんな難しい議論から逃げてしまう。2022/06/02
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