内容説明
ライン川、ドナウ川などヨーロッパで進む河川再自然化―堤防を取り払い、川を自然の流れに戻していく新しい治水思想。その広がりの背景を、景観保全運動、水資源管理政策の変遷からEUの河川管理法制にまでおよび取材で明らかにする。転換点にある日本の水政策の進路を指し示すリポート。
目次
第1章 ヨーロッパに広がる「河川再自然化」
第2章 氾濫原の景観を取り戻す
第3章 NGOと生態学が“治水”を変える
第4章 「川にもっと自由を」―景観を創り直すオランダ
第5章 再生の思想と方法―オーストリア・ドナウ
第6章 新しい制度の枠組みをつくる―水法が変わる
第7章 日本の河川のために
著者等紹介
保屋野初子[ホヤノハツコ]
1957年長野県上田市生まれ。筑波大学卒業後、出版社、週刊誌記者を経てフリーのジャーナリストとなり「アエラ」(朝日新聞社)、「自然保護」(財団法人日本自然保護協会)はじめ雑誌を中心に、水問題、公共事業、途上国の開発問題などについてのレポート多数。執筆活動のほか創刊以来の「アエラムック・学問がわかるシリーズ」の編集デスクとしても15冊を手がけてきた。著書『水道がつぶれかかっている』(築地書館)は、ダムなど過大な公共事業が水道事業を圧迫しているメカニズムを解明し大きな反響を呼んだ。『長野の「脱ダム」、なぜ?』(築地書館)では、脱ダム政策の背景を解説し新たな水政策を提言。「法学セミナー」(日本評論社)に国立市マンション訴訟や川辺川ダム利水訴訟などをケーススタディした連載「市民と行政訴訟」も評判を呼んだ。現在、法政大学大学院博士課程に在籍。専門は公共政策
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