エコシステムマネジメント

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  • サイズ A5判/ページ数 206p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784806712053
  • NDC分類 519.8
  • Cコード C0030

出版社内容情報

経済・社会開発と生態系保全を両立させる新手法を日本で初めて本格的に紹介。
アメリカでの行政・企業・市民・専門家の協働による実践事例をもとに、そのプラス面・マイナス面を冷静に評価・分析する。

【書評再録】
●西日本新聞評(2000年10月22日)=環境保全と産業、地域社会。矛盾しがちなこの関係を考えるため、米国国有林の歴史的な方針転換を素材に、具体的な政策、制度の実現過程を紹介。筆者が留学中に調査した事例から、市民参加、省庁間協力、NGO活動など、変革の生みの苦しみを描く。

【内容紹介】本書「おわりに」より
 今日の自然資源管理のあり方は根本的に問いなおされている。それは単に、技術的な問題にとどまるものではなく、社会や経済のあり方、自然と人間の関係のあり方自体が問題とされている。そうした点で、地球温暖化・廃棄物・エネルギーなどと共通の問題基盤をもっており、持続可能な社会の構築という大きな課題の一環をなすものといえよう。
 こうした課題を達成するためには、人々の「意識改革」と、社会経済構造の根本的な転換が必要とされるが、当然のことながらそれは一朝一夕に可能なものではない。現実を踏まえたうえでの着実な歩みが求められているが、それはこれまで経験したことのない領域に踏み込むことを意味しており、手探りで進むことを強いられることとなる。
 日本における持続可能な社会構築へのあゆみは、残念ながら遅々としたものである。政策形成にしても、専門家の育成にしても、社会運動の広がりにしても他の先進国に大きく後れをとっていることは疑いようがない。一方、後れをとっているということは、他国でどのような試みが行われ、それがどのような成果をあげ、どのような問題を残したのかを学ぶことができるという利点をもっていることも意味している。そしてその「利点」を最大限生かすためには、他国の試みをお手本としてまつりあげるのではなく、その成果と問題をリアルに見極めることが重要である。
 私は、これまで国内外で数多くの自然資源に関わる専門家・研究者、あるいは市民活動家に対する聞き取りを続けてきたが、多くの人が共通して語っていたのは「こうすればうまくいくということはいえない。これをやってはいけない、これに気をつけなくてはいけない、ということならいえる」ということだ。最先端にたって道をきりひらいている人々の活動をマニュアル化することは極めて難しい作業であるし、後に続くものがマニュアルどおりにやってうまくいくような、なまやさしい仕事ではない。そうであるなら、こうした人々の仕事を「お手本」として学ぶというよりは、その人々の「苦悩」を理解できるようになることが大切なのではないだろうか。
 本書は、アメリカ合衆国自然資源管理に携わる人々の「苦悩」を描こうとしたものである。合衆国の自然資源管理は長い実践の蓄積、活発な研究活動、強い影響力をもった環境保護運動が相まって、世界でも最前線の試みを展開してきた。そのなかで、それに関わる人々は、新しい考え方を実行するための政策や計画を作成するために産みの苦しみを味わい、実行するにあたっては社会的・制度的な軋轢や不確実な科学知識に翻弄されてきた。彼らはどのようなことに悩み、それをどのように解決しようとしているのだろうか。この悩みを「共感」できるようになること、そのなかで持続可能な社会を構築する道すじを探ろうとすることが本書の目的である。これから本格化するであろう日本における自然資源管理の転換において、何らかの参考になれば幸いである。

【主要目次】
▲▲第1章 エコシステムマネジメントとは何か
   ▲1.本書がめざすもの(日本における新たな自然資源管理の胎動/諸外国における新たな自然資源管理への取り組み/本書の目的/本書の内容)
   ▲2.エコシステムマネジメントとは何か(エコシステムマネジメント登場以前の自然資源管理/なぜエコシステムマネジメントが登場したのか/エコシステムマネジメントとは何か/実行に移されつつあるエコシステムマネジメント)
▲▲第2章 アメリカ合衆国国有林の展開と構造
   ▲1.国有林の展開(連邦有地の概要/国有林展開の特徴)
   ▲2.国有林管理のしくみ(国有林管理組織/国有林の計画体系/国有林の財政)
▲▲第3章 国有林改革の現状と展望---エコシステムマネジメントへの転換をめざして
   ▲1.国有林改革の現状(エコシステムマネジメントへの転換/エコシステムマネジメントの実行に向けて)
   ▲2.なぜ改革が可能となったのか(外部からの圧力/自己改革の動き)
   ▲3.改革の展望(議会/市民運動/森林局・国有林をめぐる制度的枠組み/森林局内部)
   ▲4.改革の成否はどこにあるのか
▲▲第4章 エコシステムマネジメントの壮大な実験---北西部森林計画
   ▲1.北西部森林計画
   ▲2.北西部森林計画で何が達成されたのか(連邦有地管理方針の大きな転換/省庁間協力関係の飛躍的改善/組織改革の促進/本格的な地域政策の開始/新しい資源管理の手法を実行するための装置)
   ▲3.北西部森林計画の問題点(計画策定過程に関わる問題点/制度に関わる問題点/地域政策に関する問題/実行の装置に関する問題/計画をめぐる社会的・政治的環境の問題)
▲▲第5章 新しい市民参加を求めて---エコシステムマネジメントのもとでの新たな挑戦
   ▲1.アメリカ合衆国国有林における市民参加の問題点(計画制度とその背景に関する問題/市民参加の過程や手法に関わる問題/職員の態度の問題)
   ▲2.エコシステムマネジメントと市民参加(生態系のまとまりを扱う問題/市民参加をより実質化させる問題/柔軟な管理体制への対応)
   ▲3.市民参加の新しい展開(組織内部での改革への努力/国有林の枠を超えた共同関係の構築へ---アップルゲート・パートナーシップの事例を中心として)
   ▲4.市民参加の新しい姿を求めて
▲▲第6章 州政府による自然資源管理のしくみ---森林を中心として
   ▲1.州自然資源管理の歴史と概況(州森林政策の展開/森林政策の現状/森林政策を行う州政府行政組織)
   ▲2.ワシントン州における自然資源管理(ワシントン州自然資源局/ワシントン州魚類野生生物局/ワシントン州州立公園・レクリエーション委員会/ワシントン州における自然資源管理制度のまとめ)
▲▲第7章 協定に基づく森林環境保全---環境ADRの可能性と限界
   ▲1.森林施業規制と環境ADR(森林施業規制の必要性とそのあり方/環境ADRの概念と本章の課題)
   ▲2.TFW協定の成立(ワシントン州におけるサケ資源をめぐる状況/TFW協定の源流としての2つの紛争/TFW協定の成立/TFW成立の条件)
   ▲3.森林施業規制の内容としくみ(森林施業規則の内容/規制を行うしくみ)
   ▲4.継続的過程としてのTFW(TFWはどのように森林施業規制の3つの課題にアプローチしたのか/継続的な合意形成過程を成立させた条件について)
   ▲5.TFWにおける環境ADRの限界(弱者の参加の限定/地域資源管理視点の欠如/市民参加の不在)
   ▲6.流域管理にむけて
▲▲第8章 エコシステムマネジメントの収斂としての流域管理
   ▲1.注目を集める流域管理
   ▲2.なぜ流域管理なのか
   ▲3.連邦政府における流域管理への取り組み(環境保護庁の流域保全アプローチ/森林局の流域保全アプローチ)
   ▲4.ワシントン州における流域管理にむけた取り組み(事業による流域保全---「環境のための雇用創出」事業/誘導による流域保全---保全地区による環境保全型農業経営への転換支援/流域保全にむけた枠組みづくり)
   ▲5.流域保全にむけた住民運動の展開(全国レベルの運動/ワシントン州における流域保全運動の組織化)
   ▲6.流域保全活動の事例---ニスクオーリー川協議会
   ▲7.流域保全活動の基礎条件と展望
▲▲第9章 日本の自然資源管理のパラダイム転換にむけて
   ▲1.パラダイム転換を行うための基礎条件(市民参加/職員の多様性・専門性/科学性の確保/資源管理の主体としての市民の成長)
   ▲2.パラダイム転換---何に、どう備えなければならないのか
   ▲3.パラドックスを超えて

目次

第1章 エコシステムマネジメントとは何か
第2章 アメリカ合衆国国有林の展開と構造
第3章 国有林改革の現状と展望―エコシステムマネジメントへの転換をめざして
第4章 エコシステムマネジメントの壮大な実験―北西部森林計画
第5章 新しい市民参加を求めて―エコシステムマネジメントのもとでの新たな挑戦
第6章 州政府による自然資源管理のしくみ―森林を中心として
第7章 協定に基づく森林環境保全―環境ADRの可能性と限界
第8章 エコシステムマネジメントの収斂としての流域管理
第9章 日本の自然資源管理のパラダイム転換にむけて

著者等紹介

柿沢宏昭[カキザワヒロアキ]
1959年横浜市に生まれる。1984年北海道大学大学院農学研究科修士課程修了。現在北海道大学大学院農学研究科環境資源学専攻森林保全学講座助教授。専門分野は、森林政策、ロシア森林保全、先進諸国の自然資源管理
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感想・レビュー

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たけのこ

0
最初の総論的なところと、市民参加に関する5,9章の拾い読み。アメリカの自然環境の保護管理体制の変化や課題が、国有林管理を中心に詳しく書いてある。(2000年の発行なので、少し古いかもしれないけど。) 環境保護の訴訟をきっかけに開発から保全に転じていった経緯がアメリカらしいな、と感じた。市民参加の課題は行政のトップダウン・縦割りな構造、制度の複雑化、スタッフの態度 とあって、この辺りは日本と共通かも。専門性を持った現場職員が5〜10年常駐し、長期的なプロジェクトを進めていく働きかたは魅力。2020/05/08

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