出版社内容情報
激増・凶悪化している少年犯罪。大人はそれにどう対応すればいいのだろうか。
大阪府警の少年係長として、長年、問題行動を起こした少年たちに接してきた著者が、自らの経験をもとに、揺れ動く思春期の子どもとのかかわり方をアドバイス。
親だけでなく、教師や地域の大人にも読んでいただきたい一冊。
【書評再録】
●朝日新聞評(1999年10月4日)=一線の警察署の少年係長として数多くの子どもや親と向き合った11年間の経験をもとに、親へのメッセージを込めている。思春期の子育てを経験した女性との問答集も収録。さまざまな親の不安に答える形になっている。
●読売新聞評(1999年10月23日)=揺れ動く時期の子どもとどうかかわったらいいのか悩む大人たちへのメッセージとなっている。
●北海道新聞評(1999年10月18日)=著者は大阪府警の元警察官。長く非行問題や少年事件に向き合ってきた経験をもとに、「子どものことがわからない」と戸惑う親たちへの提言をまとめた。
●わが子は中学生評(2000年1月号)=Q&A「こんなとき親はどうする?」も具体的。あたりまえのことを地道にしていくことの大切さを痛感する。
【読者の声】
■女性(48歳)=著者は元大阪府警と聞き、固い本かなと思ったが、著者の暖かさが伝わる内容で共感を覚えた。子どもの問題行動の要因をよくつかんでいらっしゃると思いました。
■女性(38歳)=中2の女の子が反抗期になっていて困っていました。この本を読んで、少しでもいい方向にと思い購入したところ、とても勉強、参考になりました。
■男性(81歳)=全国民に読んでもらいたい。文部省、各都道府県の教育委員会にこの本を送って読んでもらえば、必ずこれは現代社会にもっとも必要な教育の骨幹をなすものだと痛感するでしょう。
■女性(46歳)=娘のことで悩み、いろんな本を読みましたが、この本が核心をついていました。そして少し安心もしました。ありがとうございました。
■男性(63歳)=未来の日本を担う子どもたちの現状、本当にうれうものがあります。本来の子育てのあり方を示唆してくださり、感銘を受けました。さっそく本町の子育てシンポジウムに著者を講師に招いて話を聞き、好評を得ました。
■女性(55歳)=非行少年問題の第一線におられた方のお話なので、説得力がありました。
【内容紹介】本書「解説・親子で乗り越える思春期---田上時子」より
子どもが反社会的な行動を起こしても構わないと思っている親はいないはずですが、思春期は、どの子どもに問題行動が起こっても不思議ではない時期です。望まない行動を子どもが起こす前に、問題行動や非行を防ぐには親としてどうしたらよいのかを、本書を読んで考えてほしいと思います。
しかし、もし非行という問題行動を子どもが起こしたとしても、今までの子育てをアレコレと後悔しても仕方ありません。それよりも、今から何ができるのか、どういう新しい親子関係に変えていくのか、どういう親を子どもは必要としているのかを考えることが大切です。というよりそれより他に対応策はないのです。
福田さんのおっしゃるように、子どもの非行は、避けないで対応するという覚悟があれば、こわくはありません。ドッシリと構えて、何もないときは、ただ見守り、何かあったときには全力で子どもに向き合うことです。そして、その時にはどうぞ孤立しないで、多くの助けを求めてください。できるかぎりのネットワークを活用してください。
子どもが力を発揮できない社会、子どもの個性を認めない学校、規範意識が親子ともに薄れている家庭があります。今の子どもはどういう時代に育っているのか、子どもは大人に何を望んでいるのか、何が子どもを非行に走らせるのか、そこから救うためには何ができるのか。地域と学校と家庭の連携による抜本的な教育の見直しがせまられてきているといえます。
親だけでは子育てができない、難しい時代になってきています。本書を、親だけでなく、教師にも地域の大人にも読んでいただきたいと思います。
子どもは未熟な存在です。と同時に、多くの可能性を秘めている内なる力をもった存在でもあります。だからこそ、子どもの力を引き出すしつけや教育が必要であり、いくらでも軌道修正がきくのです。子どもの力を信じましょう。そして、子どもの力を引き出せる大人になりたいものです。
思春期の子どもは、とくに親に反発する時期です。大切なことは、子ども自身を変えることにやっきになるのではなく、親自身が子どもに対する考え方、感じ方を変え、自らの生き方を問い直すことなのです。子育てに失敗なんてありません。思春期の子どもの反抗や問題行動を育児の失敗の結果ととらえるのではなく、親自らが自分自身を見つめるキッカケをつくってくれたと思えば、転じて幸になります。
福田さんはおっしゃいます。
「親が少し変われば、子どもは大きく変わる」
「大人が1センチ変われば、子どもは1メートル以上変わる」と。
【主要目次】
▲▲どんな子どもが非行に走るのか
うっとうしいお母さんとずるいお父さん
増え続ける非行
問題行動が凶悪化している
非行の主流は中学生
うちの子も危ない?
今どきの親と子に欠けているもの
規範意識が薄れている
結果を予測できない子どもたち
自己責任の自覚が欠けている
▲▲子どもを非行に追いやる理由
生活の乱れと心の乱れ
希薄な親子関係
地域の大人はどうかかわるか
学校は総合病院ではない
子どもをとりまく社会環境
▲▲非行が訴えるもの
独立した未熟な人格
未熟な人格をどう育てるか
子どものいじめは大人が生んでいる
非行とは何か
問題行動の裏側にあるもの
非行にはプロセスがある
非行は子どもの訴え
「テレクラのおっちゃんはやさしい」
栗の虫はいつ入るか
▲▲子どもを理解するためには
子どものところまでおりていけますか
子どもの言い分を最後まで聞いていますか
話しつくさせることの大切さ
いちばんの願いは「話を聞いてほしい」
わが子をほめていますか
親は自分自身にどうかかわるか
親が変われば子どもも変わる
大人はどう連携したらいいか
子どもにとっていちばんいい方法を
▲▲Q&A こんなとき親はどうする?……聞き手 田上時子
幼少期の子育てのここがポイント
非行の予防法ってあるんでしょうか?
子どもとコミュニケーションするためのコツは?
不良と非行はどう違うの?
タバコをやめさせるための効き目のある説得方法はありませんか?
子どもが嘘をつきはじめたら、どうしたらいいのでしょうか?
子どものことで悩んだとき、かけこめる場所は?
親は自分をどうやって育てたらいいの?
非行を犯した子どもはどんな処遇を受けるの?
初めての非行でも処遇を受けるの?
社会環境が非行を生んでいる
▲▲解説・親子で乗り越える思春期---田上時子
内容説明
長年、非行少年たちに接してきた著者が、自らの体験をもとに、揺れ動く思春期の子どもとのかかわり方、非行を未然に防ぐために、もし非行が起こってしまったら、親として何ができるのかを説く。
目次
どんな子どもが非行に走るのか
子どもを非行に追いやる理由
非行が訴えるもの
子どもを理解するためには…
Q&A こんなとき親はどうする?
解説 親子で乗り越える思春期
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- 電撃データコレクション 機動戦士ガンダ…