土地開発公社―塩漬け用地と自治体の不良資産

  • ポイントキャンペーン

土地開発公社―塩漬け用地と自治体の不良資産

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784806711742
  • NDC分類 334.6
  • Cコード C0031

出版社内容情報

売れない土地は自治体に買わせろ!
「列島改造」から「バブルの受け皿」まで、土地の値上がりを演出してきた土地開発公社。
10年にわたる調査から、自治体の土地買いや不良資産発生のしくみと現状を克明に描き出す。
自治体を財政破綻に導く土地問題を正面から捉えた初の書。

【書評再録】
●出版ニュース評(1999年6月上旬号)=各地の事例をベースにした丹念な取材で、自治体行政の暗部を抉り出した力作レポート。

【内容紹介】本書「終わりに」より
 取り上げたのは資料的な裏づけのある事件ばかりで、それをとっかかりに公拡法の問題点をいろいろな角度から切り込んでみたつもりである。公社をこのまま放置すれば不良資産のウバ捨て山になりかねない(すでにそうなっている例も多いが)こと、お役所の土地取引がまったく信頼できないことがおわかりいただけただろうか。現在の不況や金融不安の解決にも「不良資産の流動化」という形で、またぞろ「土地」…土地開発公社…が利用されようとしている。公社がこのままでは傷口は広がるばかりだろう。
 行政ウォッチャーとして、その組織と中で働く人間の倫理観のなさはわかっているつもりだったが、それにしても昨今の日銀汚職、防衛庁資料隠滅工作などの行政庁の汚職事件はひどい。あらためて日本にも完全に独立した行政裁判所が必要だと痛感した。そのためにも行政の多くの「ブラックボックス」のフタをきちんとこじあけるジャーナリズムが必要だとも。

【主要目次】
▲▲第1部・公拡法の研究
  ▲▲第1章・見えない組織(納税者の沈黙/地方分権の落とし穴/行政のブラックボックス/行政の不良資産)
  ▲▲第2章・公拡法の研究(高度成長の落とし子/列島改造論と第一次改正/特例だらけの土地開発公社……特別法人/出資/登記/役員および職員/業務の範囲/財務/監督/取引価格/債務負担行為……/「民活」のまやかし/バブルの受け皿/もう一度バブルを)
▲▲第2部・土地開発公社の研究
  ▲▲第3章・「塩漬け土地」にきしむ財政---川崎市のケース(金利が財政を押しつぶす/塩漬け土地リポート/三田工業汚職事件---極めつきの土地汚職/縦割りが生む塩漬け土地/先行取得特別会計/土地開発基金/川崎市民の重いつけ)
  ▲▲第4章・自治体の契約違反---茅ケ崎市のケース(転売された国鉄用地/契約違反と開き直り/土地の買い主は誰か/架空とされた特約/門前払い/差し戻しと「和解」/戦う市民)
  ▲▲第5章・ゼネコン救済の緑地買収---鎌倉市のケース(古戦場トラスト/ダミー商法/一番長い日/高値演出のウルトラC/内なる共犯者/苦い結末)
  ▲▲第6章・ハマの情報非公開---横浜市のケース(黒塗りの資産明細表/8000億円の資産隠し/天下り天国/法廷外開示)
  ▲▲第7章・タダの土地に払った12億円---葉山町のケース(断られた寄付/訴訟合戦と「和解議案」/和解議案/和解調書/売り逃げ/幽霊会社/和解の裏側/有名料亭を救った土地開発公社)
  ▲▲第8章・「北の大地」の苦悩---北海道、札幌市のケース(「拓銀」の債務者/日本道路公団の下請け/国策事業のつまずき/勇払の原野にて/札幌市のケース)
  ▲▲第9章・誰が公社を監督するのか---その他のケース(タダで譲り渡した土地---神奈川県中井町のケース/オウムにおびえた土地買い---山梨県都留市のケース/「麻原」名の名刺/市長が公社の土地を買った/公社を「聖域」にした判決---徳島県藍住町のケース/認められた「ズル替え」)

内容説明

不良債権をかかえているのは銀行、ゼネコンだけではない。自治体が土地開発公社を使ってかかえこんだ不良資産発生のしくみと現状を10年にわたる調査で刻明に描く。自治体を財政破綻に導く土地問題を正面から捉えた初の書。

目次

第1部 公拡法の研究(見えない組織;公拡法の研究)
第2部 土地開発公社の研究(「塩漬け土地」にきしむ財政―川崎市のケース;自治体の契約違反―茅ヶ崎市のケース;ゼネコン救済の緑地買収―鎌倉市のケース;ハマの情報非公開―横浜市のケース;タダの土地に払った一二億円―葉山町のケース;「北の大地」の苦悩―北海道、札幌市のケース;誰が公社を監督するのか―その他のケース)