出版社内容情報
ダイオキシン、環境ホルモン……こういうことだったのか。公害防止技術の最前線を歩んできた著者が、私たちが、コワイ化学物質に取り囲まれてしまった理由を、反省的文明史観で説き明かす。 ●●●本書「まえがき」より=本書では、以下のことに重点を置いた。1.環境ホルモン、ダイオキシン、それに地球環境問題の原因物質のほとんどが、西欧文明が近代化された後の工業文明の産物、すなわち、人工化学物質やエネルギー関連物質である。したがって、これらの物質による地球環境汚染を「化学汚染」として捉えることにした。2.そのうえで、西欧型近代文明の源流にまで歴史を遡り、「近代工業文明と人工化学物質のかかわりの歴史」について概観してみる。3.そのことにより、人類の築き上げてきた科学・技術の所産=西欧型工業文明から、環境ホルモン・ダイオキシン問題、地球環境問題が発生してきた必然性を、読み取ることができるのではないか。4.以上の手順を踏まえることにより、今後の地球環境問題を解決するための基本的視点を提起できるであろう。●●● 【主要目次】▲▲第1章・地球の進化と生態系の成り立ち=太陽系のなかの地球/生命の誕生と進化/人類の発生と進化/生命の共通性---化学物質の反応による生命の維持/生物と環境---生態系 ▲▲第2章・近代工業文明と化学物質の功罪=西欧文明近代化の背景と環境破壊/産業革命---近代工業文明、人間中心主義の出発点/化学の革新---人工化学物質の誕生/20世紀工業文明とは何か/20世紀工業文明が残す負の遺産 ▲▲第3章・化学公害の歴史=19世紀まで---化学公害の始まり/20世紀---戦争と化学公害の世紀/技術革新のかげで---大量生産・消費社会が招いたもの/世代間に影響する化学公害事件/現代工業文明を支える基礎資源と化学公害 ▲▲第4章・化学物質の拡散と“宇宙船地球号”=有害化学物質の拡散/大気圏の汚染/水圏の汚染/土壌圏の汚染/ヒトの健康への影響 ▲▲第5章・人類は子孫を残せるか=環境ホルモンの衝撃/廃棄物との格闘/放射能・電磁波の恐怖/細菌の反撃
内容説明
公害防止技術の最前線を歩んできた著者が、私たちが、コワイ化学物質にとり囲まれてしまつた理由(わけ)を反省的文明史観で説き明かす。
目次
第1章 地球の進化と生態系の成り立ち
第2章 近代工業文明と化学物質の功罪
第3章 化学公害の歴史
第4章 化学物質の拡散と“宇宙船地球号”
第5章 人類は子孫を残せるか