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脊椎動物の進化

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  • サイズ B5判/ページ数 554p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784806711131
  • NDC分類 457.8
  • Cコード C1044

出版社内容情報

新知見を取り入れて今日的な内容へと一新。
魚類の出現から哺乳類の出現・多様化まで、四億年におよぶ脊椎動物の進化を体系的に解説する「脊椎動物の系統論」の決定版。

【書評再録】
●地団研そくほう評=脊椎動物化石やその進化を学ぶためのバイブルともいえる本であり、魚類から哺乳類までを体系的に解説した貴重な本である。ぜひ持つべき書籍である。
●地質学雑誌評=旧版とくらべて1700ヶ所もの追加・訂正があり、図版も64点増えている。新しい重要な化石の発見や研究など、旧版以来の20年以上に及ぶこの分野の成果がもりこまれている。
●理科教室評(1995年4月号)=文中にあるたくさんの挿し絵は、ダーリングさんが、新たに今回の改訂のために描き直したといいます。非常にわかりやすい原図です。辞典として使う方法もあると思います。

【内容紹介】本書「監訳者あとがき」より抜粋
 原書は全面的に改稿されたのではなく、部分的な変更や添削を行ったものである。改変は大幅な加筆や削除をふくめて第2版と比べて約1700ヶ所もあり、図版は64点も増えている。しかし著者が「まえがき」で触れているように、内容の基本的特色は旧版とほぼ同じだといってよい。一言でいえば「脊椎動物の系統論」なのだが、そのかぎりで総合的な性格がつよく、古生物学、動物学、地質学、比較解剖学、系統分類学、進化生物学などの要素を多面的に備えている。また考え方はしごく穏健であり、斬新奇抜な見解を派手に主張するような本ではない。そうした性格のためか、初出版から40年近くを経た今もなおこの本は世界で独特の地位をたもっており、他に類書といえるものはほとんど見当たらない。無数の標本や文献を実際に調べることが必要なこの領域では、こうした書物を独自に作るのがわが国では不可能に近く、そのことが本書を訳出・紹介する最大の理由である。
 この新訳には、旧訳にはなかった重要な要素が一つ加わった。それは「大陸移動」の理論に則って生物の巨視的な分布とその変化を理解しようとするもので、これはちょうど、生物の多様性を説明するのに進化論にしたがうことに相当するほど、分布の理解にとって決定的な要素である。分布の変化は、生物地理学的にみて系統発生ないし形態変化と不可分と考えられるから、その意味でこの本の内容には大きな変化があったとも言える。
 旧版以来の主著者、コルバート博士はかつてアメリカ自然史博物館の古脊椎動物学部長、コロンビア大学教授、恐竜発掘の本場である北アリゾナ博物館の古脊椎動物学部長などを歴任した人で、アメリカにおける古生物学の長老の一人である。彼は1905年アイオワ州クラリンダに生まれ、ミズーリ州で育ち、ネブラスカ州リンカーンのネブラスカ大学を卒業したのち、コロンビア大学で当時最大の古生物学者W.K.グレゴリー教授に師事して学位を取得した。その後はおもに同大学と関係のあるアメリカ自然史博物館を拠点として世界各地--南極大陸も--で調査・採集を行いながら、研究・教育に従事してきた。1940年代に入ってから爬虫類とくに恐竜類の研究にも関わるようになり、70年ごろからは動物相の変遷と大陸移動との関係についてしばしば著作を発表している。この数十年の間に彼は、グレゴリーのほか、その先代のH.F.オズボーン、同世代のA.S.ローマー、G.G.シンプソンをはじめ、20世紀アメリカの錚々たる古脊椎動物学者・進化学者たちと親しく交わる機会に恵まれた。彼は「古き良き時代」の生き証人であるとともに、新しいタイプの進化生物学者S.J.グールド博士の先生の一人でもある。これまで、研究成果や著作物だけでなく社会教育や博物館運営などに関しても、数々の賞を受けている。なお、共著者モラレス氏は北アリゾナ博物館におけるコルバート氏のもとの同僚で、地質学・古生物学者である。
 この新訳が、脊椎動物の系統論という一分野を論じたものにすぎないとしても、わが国における生物進化の健全な見方を今後もささえる礎石の一つであってほしいと、私は切に願っている。

【主要目次】
▲▲1……序章
   化石--岩石の中の証拠物/背骨をもつ動物/ナメクジウオ/ピカイア/骨と軟骨と歯/地質学的時間/脊椎動物の時間的なつながり/分類の方法について
▲▲2……顎をもたない脊椎動物
   ヤツメウナギとはどんなものか/最初の脊椎動物/甲皮類/進化史における甲皮類の位置
▲▲3……棘魚類と板皮類
   顎の起源/棘魚類/板皮類の出現/初期の板皮類/節頸類/プチクトドゥス類とフィロレピス類/胴甲類/原始魚類の相互関係
▲▲4……魚類の繁栄
   泳ぐための仕組み/舌弓について/魚類の二つの綱/サメ類の進化/硬骨魚類--水域の支配者たち/硬骨魚類の進化史における交代
▲▲5……水中から陸上へ
   空気呼吸をする魚類/肺魚類/総鰭目の魚類/両生類の出現/イクチオステガ類
▲▲6……初期の脊椎動物相
   初期の脊椎動物の生活環境/初期脊椎動物の化石を産する堆積物の分布/初期の脊椎動物相のつながり
▲▲7……両生類
   陸上生活にともなう特殊な問題/陸上生活に適した基本的体制/迷歯亜綱の両生類--アントラコサウルス類--エンボロメリ類/迷歯亜綱の両生類--アントラコサウルス類--シームリア形類/迷歯亜綱の両生類--古生代の分椎類/迷歯亜綱の両生類--中生代の分椎類/迷歯類の進化傾向/空椎類/現生の両生類
▲▲8……爬虫類の出現
   有羊膜卵/爬虫類の特色/カプトリヌス類/爬虫類の分布/爬虫類の最初の放散
▲▲9……哺乳類様爬虫類
   単弓類とはどんなものか/盤竜類/オフィアコドン類/スフェナコドン類/エダフォサウルス類/獣弓類/エオティタノスクス類/ディノケファルス類/ディキノドン類/獣歯類
▲▲10……陸地の征服
   初期の陸生脊椎動物/初期の陸生脊椎動物の生活環境/古生代後期における大陸の位置関係/古生代後期における脊椎動物相の分布/古生代末期の脊椎動物
▲▲11……初期の支配的爬虫類
   新時代の到来/槽歯類/プロトロサウルス類/リロフォサウルス類/リンコサウルス類/三畳紀の終り
▲▲12……恐竜類の制覇
   はじめに/最初期の竜盤類/肉食性だった獣脚類/三畳紀の原竜脚類/竜脚類の巨大種/最初期の鳥盤類/鳥脚類の進化/パキケファロサウルス類/ステゴサウルス類/アンキロサウルス類--装甲をもつ恐竜類/角竜類--角をもつ恐竜類/超大型の恐竜類
▲▲13……空中生の爬虫類
   滑空性の爬虫類/飛行に伴う諸問題/翼竜類
▲▲14……鳥類
   鳥類/最初期の鳥類/鳥類と飛翔の起源/白亜紀の鳥類/新生代の鳥類/化石記録の中の鳥類
▲▲15……水生の爬虫類
   四肢動物の水中への適応/初期の水生爬虫類/イクチオサウルス類/プラコドゥス類と鰭竜類/プラコドゥス類/ノトサウルス類/長頸竜類/海生のワニ類、トカゲ類、カメ類/カンプソサウルス類とプレウロサウルス類
▲▲16……恐竜時代
   中生代の諸大陸の位置関係/三畳紀の多彩な動物相/ジュラ紀の環境と動物相/白亜紀前期の世界/白亜紀後期の恐竜動物相/中生代の終り
▲▲17……生残りの爬虫類
   白亜紀以来の爬虫類/カメ類/ワニ類/ムカシトカゲ類/トカゲ類とヘビ類
▲▲18……哺乳類の始まり
   哺乳類の起源/哺乳類の特色の確立/三畳紀とジュラ紀の哺乳類/白亜紀の哺乳類/単孔類/哺乳類の基本的な適応放散
▲▲19……有袋類
   新生代の大陸と有袋類の歴史/有袋類の特色/アメリカのオポッサム/アメリカ大陸での有袋類の進化/オーストラリアでの有袋類の適応放散/進化史における有袋類の地位
▲▲20……有胎盤類とはどういうものか
   有胎盤類の基本的な特色/有胎盤類の歯/有胎盤哺乳類の分類
▲▲21……多様化する有胎盤類
   正獣類進化の基本パターン/食虫類/ハシネズミ目/登木目/翼手類/皮翼類/貧歯類/有鱗類/紐歯類と裂歯類
▲▲22……霊長類の進化
   霊長類の起源/霊長類の特色/霊長類の分類/プレシアダピス亜目/曲鼻亜目--アダピス類、キツネザル類、ロリス類/直鼻亜目--オモミス類とメガネザル類/広鼻亜目--新世界のサル類/狭鼻亜目--旧世界のサル類、類人猿類、人類/類人猿類/アウストラロピテクス類/人類進化の諸要素/人類の進化/人類の文化
▲▲23……齧歯類とウサギ類
   齧歯類の進化的成功/齧歯類の特色/齧歯類の分類の一方式/齧歯類の進化/ノウサギ、アナウサギ、およびナキウサギ/ウサギ類の進化/齧歯類・ウサギ類と人類
▲▲24……鯨類
   海へ戻った動物/海生脊椎動物としてのクジラ類/無肉歯類/初期のクジラ類/新しいクジラ類の適応放散/クジラと人類
▲▲25……肉歯類と食肉類
   肉食性哺乳類の適応/肉歯類/ミアキス類/裂脚類の動物/イヌ上科の食肉類/ネコ上科の食肉類/鰭脚類の動物/食肉類の進化速度
▲▲26……太古の有蹄類
   有蹄類とは/有蹄類の基本的な適応構造/最初の有蹄類/顆節類/第三紀初期の大型有蹄類/ツチブタ類について
▲▲27……南アメリカの有蹄類
   原始有蹄類の南米への侵入/南蹄類/滑距類/雷獣類/火獣類/南アメリカの有蹄類の終息
▲▲28……奇蹄類
   奇蹄類の特色/奇蹄類の起源/最古の奇蹄類/奇蹄類の基本的分類/ウマ類の進化/ウマと人類/パレオテリウム類/ティタノテリウム類の進化/カリコテリウム類/サイ類の進化/バク類
▲▲29……偶蹄類
   現代の偶蹄類/偶蹄類の特色/偶蹄類の基本的な分類/パレオドゥス亜目/猪豚亜目/アンコドン亜目/核脚亜目/反芻亜目
▲▲30……ゾウ類とその近縁動物
   北アフリカの初期の哺乳類/長鼻類とはどんなものか/モエリテリウム類/長鼻類の進化の諸系統/デイノテリウム類/バリテリウム類/マストドン類/ゾウ類/海牛類/束柱類/岩狸類/重脚類
▲▲31……哺乳類時代
   新生代の大陸と気候/新生代における動物相の発展/新生代における大陸間の移住/新生代における脊椎動物相の分布/各動物相の対比

内容説明

新知見を取り入れて今日的な内容へと一新。魚類の出現から哺乳類の出現・多様化まで、4億年におよぶ脊椎動物の進化を体系的に解説する「脊椎動物の系統論」の決定版。

目次

顎をもたない脊椎動物
棘魚類と板皮類
魚類の繁栄
水中から陸上へ
初期の脊椎動物相
両生類
爬虫類の出現
哺乳類様爬虫類
陸地の征服〔ほか〕

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