内容説明
13名の若き命をのみこんだ“やすらぎの池”。指揮官田山勇一はどんな人だったのか、なぜあの雨の中で強行したのか…。実在の事故をモデルに同期会の熱意が書かせた小説。
著者等紹介
桂儀一光[カツラギイッコウ]
作家。1946年大分県竹田市荻町生れ。1961年中学卒業後、少年工科学校7期生徒で入隊。1968年ヘリコプター操縦と運用に従事(30数年間)。2001年定年退官後、大手損保会社に就職(10年間)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yamatoshiuruhashi
28
昭和43年(1968年)7月2日、陸上自衛隊少年工科学校、いわゆる少年自衛隊の生徒が夜間訓練中に教官の指揮にて武装して池を渡ろうとして13人が死亡するという事故が起こった。この事件の教官(区隊長)を主人公とした小説である。亡くなった13人は当時18歳、19歳であった。中卒で入隊、高校生の年頃から厳しい生活、訓練に耐えてこれから彼らの前の人生がますます開けていく時期に、その訓練で命を落とすことはどれほど無念だったろうか。主人公の同期が支えていくさま、そして生徒同期の団結が救いである。2019/01/22
Lesta01
3
母校で起きた12期生の死、その真相を知りたくて読んでみた。 その中で… 【 熱血的な人柄ゆえに陥りやすい欠陥が露呈した事故。】 ・ 少工校に入校したときに説明を受けた訓練死亡事故、やすらぎの池。 こういう経緯だったのか。 母校のことだけに、色々なことを考えさせられた。 ・余談だが… そのときの区隊長は、人工透析から五臓六腑、そして最後に口腔、咽頭と、まるで亡くなった13人に合わせるかのように、癌も13箇所、全身に広まっていたという。・衝撃だった。2019/12/28
さくら
1
危険な箇所を予め知っておかないと、事故が起こってから人命を失うという怖さを感じた。2018/11/10
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