現代産業選書
化学・バイオ特許の出願戦略 (改訂7版)

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  • サイズ A5判/ページ数 690p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784806529828
  • NDC分類 507.23
  • Cコード C2030

出版社内容情報

化学・バイオ分野における戦略的な明細書の書き方を、多数の裁判例を基に詳細に解説。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
化学・バイオ分野における戦略的な明細書の書き方を、多数の裁判例を基に詳述!
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 本書は、化学・バイオ分野の明細書作成時に考慮すべき点等を、多くの判決例に基づき実務的な視点から説明すると共に、出願戦略という視点からノウハウ的事項を多く盛り込みました。判決例に基づいて、現実の特許の審査運用、侵害訴訟の実態を把握することが重要であり、明細書の作成に際して、それらを踏まえていかなる特許戦略をとるべきかの参考書としてお薦めの書です。

 法改正のみならず、審査基準の改訂、及び裁判所の判断傾向の動きなど、知財分野では変化が極めて激しい。例えば、平成27年、特許庁は審査基準を全体的に見直し改訂審査基準を公表し、最高裁はプロダクト・バイ・プロセスクレームに関する解釈基準を説示し、平成28年、知財高裁は大合議により製造方法の発明に均等侵害を認め、特許庁は食品に用途発明を認めるように審査基準を改訂するなど、化学・バイオ分野において実務上極めて重要な事項に大きな変化がありました。今回の改訂7版でも、これらの最新の情報をできるだけ取り込み、現在の実務に直ちに利用できるように、改訂された審査基準、最新の裁判例の紹介、説示事項の抜粋などを行いました。

 「良い明細書を如何に作成するか」という問題は、特許実務において、答えのない永遠の課題ですが、少なくとも現在の特許庁の運用、裁判所の考え方などの実態を充分に理解した上で、どのように作成し、対応していくべきかという戦略を模索することが重要です。本書が、そのような出願戦略を検討する際の材料となれば幸いです。

第1章 発明の把握
1.発明とは
(1)発明の定義
(2)「天然物」と「情報」
(3)「技術」と「技術的思想」
2.発明の類型
(1) 3つのカテゴリー
(2)発明の類型と実施行為
(3)発明の類型と利害得失

第2章 クレームの作成(基礎)
1.クレームの表現
(1)物の総括的表現
(2)選択肢の表現
(3)「からなる」、「含む」、「有する」
(4)ジェプソン形式
(5)「特徴とする」形式
(6)プロダクト・バイ・プロセス・クレーム
(7)除くクレーム
2.独立項と引用項
(1)独立形式請求項
(2)引用形式請求項
3.化学・バイオ発明の特定
(1)化学物質の一般的特定手段
(2)各種物質に特有な特定手段
(3)製法の特定手段

第3章 戦略的なクレームドラフティング
1.「明細書は権利書である」という視点から
(1)広くて強い権利
(2)権利行使に強いクレームと弱いクレーム
(3)「ライセンス、損害賠償など」からみたクレームドラフティング
2.共同出願におけるクレームドラフティング

第4章 明細書の作成
1.明細書の構成
2.発明の効果の記載
(1)発明の効果の記載と問題点
(2)侵害訴訟における「発明の効果」の扱い
3.発明を実施するための形態の記載
(1)クレーム発明の説明
(2)用語の説明
(3)文章の表現
(4)数値範囲の記載
(5)各種発明における具体的留意事項
4.実施例の記載
5.戦略的な実施例・比較例の作成
(1)実施例の作成
(2)比較例の記載
6.明細書の作成と誤記
7.明細書の作成と優先権
8.明細書の補正と新規事項の追加
(1)補正と新規事項
(2)実施例の記載に基づく補正と新規事項の問題
9.各種観点からみた好ましい明細書作成のあり方
(1)将来の中間処理の観点
(2)外国出願の観点

第5章 特許要件(その1)・・・産業上の利用可能性など
1.発明の完成と発明未完成
2.産業上の利用可能性(有用性)
(1)産業上の利用可能性とは
(2)治療方法、診断方法の発明
3.不特許事由

第6章 特許要件(その2)・・・特許法第36条関係
1.実施可能要件(特許法第36条4項1号)
(1)実施可能要件とは
(2)実施をすることができない範囲
(3)「how to make」の要件
(4)「how to use」の要件
(5)「当業者に期待しうる程度を超える試行錯誤や複雑高度な実験等」について
(6)実験成績証明書の参酌
(7) 実施可能要件を考慮した明細書作成時の留意点
2.サポート要件(特許法36条6項1号)
(1)サポート要件とは
(2)サポート要件に関する判断基準
(3)「表現上の整合性」と「実質的な対応関係」
(4)裁判例からみたサポート要件の分析
(5)明細書作成上の留意点と実験成績証明書
(6)実施可能要件とサポート要件の違い
(7)米国での記載要件との対比
3.明確性要件(特許法36条6項2号)
(1)明確性要件の趣旨
(2)明確性要件に違反する類型
(3)裁判例からみた明確性要件
4.その他の36条関係の要件(特許法第36条6項3号、4号)

第7章 特許要件(その3)・・・新規性と先願範囲の拡大
1.新規性
(1)新規性とは
(2)「請求項に係る発明」の認定方法
(3)引用発明の認定方法
(4)対比判断の手法
(5)各種の事情と新規性判断
(6)引用発明の追試実験
(7)選択発明について
2.先願範囲の拡大
(1)同一性の判断
(2)特許法第29条の2の規定と出願戦略
(3)裁判例

第8章 特許要件(その4)・・・進歩性
1.進歩性の基本的な考え方
(1)進歩性の判断基準
(2)進歩性判断における相違点の検討
(3)本発明の認定について
(4)引用発明の認定について
(5)出願後に頒布された刊行物の参酌
(6)公然実施発明に基づく進歩性判断
(7)進歩性判断における周知技術の扱い
(8)進歩性判断における技術常識の扱い
(9)進歩性の主張と明細書の根拠
(10)後出し実験データの参酌
2.進歩性否定の論理
(1)容易推考な構成
(2)動機づけ
(3)取得プロセスの容易性
(4)設計事項
3.進歩性肯定の論理
(1)阻害要因
(2)解決課題
(3)示唆の不存在
(4)動機づけの不存在
(5)当業者の通常の創作能力の発揮ではないこと
(6)後知恵の排除
4.発明の効果
(1)効果の類型
(2)予測されない効果
(3)選択発明/顕著な効果
(4)効果の主張が否定された裁判例
(5)効果の参酌
5.数値限定発明における進歩性
(1)数値限定発明の進歩性
(2)タイプAの発明の進歩性
(3)タイプBの発明について
(4)タイプCの発明について
6.進歩性判断の動向
(1)審決取消率の変化
(2)判示内容の変化
7.明細書作成時の留意点

第9章 化学・バイオ分野に特有な発明
1.プロダクト・バイ・プロセス・クレーム
(1)最高裁判決によるPBPクレームの解釈基準と特許庁の取扱い
(2)プロセスの意義
(3)米国およびドイツ国における権利解釈
(4)明細書作成時の留意点
2.変化する発明
(1)組成物発明における変化
(2)各種の変化(構造変化、性状変化、物性変化、濃度変化)
(3)各種変化に関連する裁判例
(4)明細書作成時の留意点
3.用途発明
(1)用途発明とは
(2)用途限定の一般的な考え方
(3)用途発明のクレーム表現
(4)食品分野の用途発明
(5)医薬分野の用途発明
(6)用途特許の効力と諸問題
4.数値限定発明の諸問題
(1)測定法および測定条件に関する問題
(2)数値範囲のクレーム解釈

第10章 出願戦略を考える
1.侵害態様の点から
(1)文言侵害
(2)均等侵害
(3)間接侵害
2.学会発表の点から
(1)学会等での発表と特許出願の関係
(2)「新規性喪失の例外規定」の留意点
(3)実務上の指針
3.国内優先権主張出願又は外国出願と論文発表との関係
(1)出願前、出願後にも論文発表がない場合
(2)論文発表が出願前にある場合
(3)論文発表が出願後にある場合
(4)実務上の指針
4.研究と出願戦略
(1)各種要因を考慮した出願戦略
(2)基本特許と周辺特許
(3)分割出願による戦略

第11章 明細書のチェックポイント
1.実体的なチェックポイント
(1)クレームのチェック
(2)明細書(一般説明)のチェック
(3)明細書(実施例・比較例)のチェック
(4)図面、表などのチェック
2.形式的なチェックポイント

事項索引
判例索引

細田 芳徳[ホソダヨシノリ]

内容説明

最新の裁判例を多数紹介・分析。実務におけるノウハウ的事項を多数収載。化学・バイオ分野における戦略的な明細書の書き方を詳細に解説!

目次

発明の把握
クレームの作成(基礎)
戦略的なクレームドラフティング
明細書の作成
特許要件(産業上の利用可能性など;特許法第36条関係;新規性と先願範囲の拡大;進歩性)
化学・バイオ分野に特有な発明
出願戦略を考える
明細書のチェックポイント

著者等紹介

細田芳徳[ホソダヨシノリ]
細田国際特許事務所所長。弁理士。広島大学工学部醗酵工学科卒業。住友化学工業(株)・住友製薬(株)を経て事務所開設。昭和62年弁理士試験合格。元弁理士会バイオ委員会委員。元弁理士会中央知的財産研究所バイオ研究部会員。元日本弁理士会特許委員会副委員長。元日本弁理士会バイオ・ライフサイエンス委員会副委員長。特定侵害訴訟代理業務試験合格(付記弁理士)。元北陸先端科学技術大学院大学特許アドバイザー。元裁判所専門委員。元日本弁理士会常議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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