内容説明
本書は、「容易想到性」についての統一的な判断基準の考え方を論述するとともに、他方において、このことを踏まえて、裁判例の中から、とりわけ、「紙葉類識別装置の光学検出部」事件判決以降の進歩性判断のありかたを判示した近年の判決から「容易想到性が肯定される事由」や「容易想到性が否定される事由」を抽出し、進歩性の判断基準を体系化したものです(「はじめに」より抜粋)。
目次
第1章 「進歩性」判断の枠組み(「進歩性」についての特許法の定義;発明の構造とその表し方;進歩性の有無の判断のしかた;進歩性の有無を判断する手法とプロセス;進歩性の判断についての論点)
第2章 「相違点に係る技術的構成」の抽出のための諸問題(本件発明の認定のありかた―発明の要旨の認定;引用発明の認定のありかた;「相違点に係る技術的構成」の抽出・認定)
第3章 容易想到性の判断基準―副引用発明を必要とする場合(「容易想到性の第2条件」についての考え方;現行審査基準の定める「動機づけ」となる事由(1)―技術分野の関連性 ほか)
第4章 容易想到性の判断基準―副引用発明を必要としない場合(副引用発明を必要としない場合における「容易想到性の根拠となる事由」;「数値限定発明」の容易想到性)
著者等紹介
永野周志[ナガノチカシ]
弁護士。1948年生まれ、1969年司法試験合格。九州大学法学部卒業。九州大学大学院法学研究院客員教授(1999年~2002年)、株式会社産学連携機構九州取締役(九州大学TLO、2001年~2002年)、名古屋商科大学経営情報学部非常勤講師(2006年~2008年)、山口大学経済学部非常勤講師(2008年~2012年)などを務める。現在、シード綜合法律事務所に在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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