内容説明
本書は、特許協力条約(PCT)の成立の経緯ないし問題点を解明しようとするものである。昨今、特許協力条約に基づく国際出願の利用は急激に増加しているとともに、それによせる期待も大きく、よりよい制度への改善が求められ、検討が開始されている。筆者は、「これまでは、特許協力条約に規定する期間の変更と同条約に基づく規則の修正等により急場凌ぎ的措置に終始してきたきらいがある。特許協力条約自体にメスを入れなければならない時期に至っていると思う。」と述べ、本書を機に、現時点での問題の認識・解決を促している。本書は、特許協力条約の全容を知ることが出来るものとしては唯一の書籍であり、今後の将来展望を検討する上でも欠かせない資料となるであろう。
目次
第1章 特許協力条約(PCT)(PCTの成立;PCTの概要 ほか)
第2章 PCTの沿革(1965年10月アメリカ特許庁長官の呼びかけ;1966年9月パリ同盟執行委員会勧告 ほか)
第3章 特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律(国際出願法)(総則;国際出願法1条 ほか)
第4章 特許協力条約と特許法との関係(特許法と条約との関係;特許法184条の3 ほか)
参考資料(REPORT OF THE PRESIDENT’S COMMISSION ON THE PATENT SYSTEM「November 17,1966.」;Patent Cooperation Treaty Done at Washington June 19,1970 ほか)
著者等紹介
後藤晴男[ゴトウハルオ]
昭和32年3月日本大学法学部法律学科卒業。昭和33年4月特許庁入庁(特許庁審判部書記課)。昭和33年12月弁理士試験合格。昭和40年4月特許庁総務部総務課。昭和47年1月特許庁審査第一部商標第二課。昭和49年3月特許庁総務部総務課併任。昭和57年4月~昭和62年6月特許庁審査第一部出願第一課国際出願室長。昭和62年7月~昭和63年11月特許庁審査第一部商標審査長。特許庁審判部審判長を経て、日本大学法学部教授(平成6年4月~現在)。「工業所有権仲裁センター」調停人・仲裁人候補者(平成10年3月~平成13年3月)。日本大学国際産業技術・ビジネス育成センター副センター長(平成12年4月~現在)。世界知的所有権機関(WIPO)Arbitration and Mediation Center Panelist(平成12年10月~現在)。「日本知的財産仲裁センター」調停人・仲裁人候補者(平成13年5月~平成16年3月)
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