出版社内容情報
かぐや姫の話には、知られていない前日譚があった。神道研究の第一人者が明かす、「竹取物語絵巻」上巻に書かれた、かぐや姫が天上界で犯した罪と罰!
内容説明
「罪の償いの期限がきたので、迎えにきた」といい、かぐや姫を月の都に連れ戻しにきた天人たち。しかし『竹取物語』ではどんな罪を犯したのか説明されていません。「かぐや姫が犯した罪」とは何か?「消えたかぐや姫の前世譚」とは?「霊峰富士山とかぐや姫」との関わりとは?「聖母マリアとかぐや姫の不思議な共通点」とは?日本文学ではなく、神道学の視点から、天上界でのかぐや姫の意外な過去に迫る一冊。
目次
序章 美麗!『竹取物語絵巻』の世界
第1章 超訳『竹取物語』
第2章 謎解き『竹取物語』
第3章 消えたかぐや姫前世譚
第4章 かぐや姫が犯した罪の意味
第5章 聖母とかぐや姫
著者等紹介
三橋健[ミツハシタケシ]
1939年、石川県生まれ。神道学者。國學院大學文学部日本文学科を卒業。國學院大學大学院博士課程修了。1971年、ポルトガル共和国コインブラ大学留学。元國學院大學神道文化学部教授。現在は「日本の神道文化研究会」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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エンリケ
45
実に興味深い内容だった。かぐや姫が地上に降り立ったのは前世の罪の為だった。ではその罪とは一体何なのか?そんな主題を軸に日本人古来の宗教観に説明は展開。日本人の祖先崇拝の原点は聖母的存在の処女懐胎譚から始まる。しかし神話においては神の子を受胎した女性は姦淫を疑われ流浪する。何とも救われないお話だが、彼女の受難は地上の人々の罪祓いであると解釈すれば腑に落ちる。実はかぐや姫はこうして流浪した成れの果てとの事。即ちは冤罪。そして罪を許された彼女は富士山の女神と成ったとか。かのお話と神話のリンクが面白かった。2015/07/28
myunclek
42
分かろうとして読むと時間掛かりそうだったから、すっ飛ばしながら読みました^ ^懐かしのかぐや姫ちゃんが、あらゆる角度から研究されちゃいました。ムムッと思いながらも、昔から伝わる話には何かありそうな…。マリア様との一致点などを突き付けられると、笑い飛ばす訳には行かんなって思ったりも。2017/02/12
けやき
36
なかなか興味深かったです。神仏が人の世に仮に人間として生まれてくるという考えが民衆に下地としてあったのなら、秀吉が豊国大明神や家康が東照大権現となるのもそんなに難しくなかったのかなぁなんて関係ないことを考えてしまいましたw2016/06/25
るぴん
36
図書館本。これもタイトルに魅かれて借りた一冊。『竹取物語』の謎、かぐや姫の罪について、古事記や神道から迫っている。『竹取物語』には前日譚があったとか、キリスト教との共通点とか、面白く読んだ。古今東西の童話にみられる「小さ子」と、「うつぼ船」の話は興味深い。ジブリの映画も観てみたい☆2014/06/13
けいた@読書中はお静かに
33
僕の解釈は『美人は、それだけで罪なもんだよ』。ジブリは見てないけど、キャッチコピーが頭に引っ掛かってて手にした本。口承説話だから神話などと繋がったり、キリスト教との比較をしてみたり。多少、話が大きくなりすぎだと思うところもあるけど、歴史ロマンを感じます。冒頭の絵巻?が美しい。2015/09/22