敗者の古代史

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784806147909
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C0021

出版社内容情報

戦中から考古学界に身を置き、60年以上にわたり研究をリードしてきた日本考古学界の第一人者が、「記紀の中では<敗れた>と記述されているが、実際にはそれぞれの地域では神としてその後も崇められていた」事象を、考古学・文献双方からのアプローチを行い、新視点を提示する意欲作。

内容説明

戦いに敗れた彼らは、その後どうなったのか。勝者の視点だけでは決して伝わらない、古代史の深層。

目次

饒速日命と長髄彦
タケハニヤス王とミマキイリ彦の戦争
狭穂姫と狭穂彦
熊襲の八十梟帥と日本武
剱御子としての忍熊王
莵道稚郎子と大山守
飛騨の両面宿儺
墨江中王と曽婆訶理
大日下王と押木珠縵
市辺忍齒別王と皇子たち〔ほか〕

著者等紹介

森浩一[モリコウイチ]
1928年大阪市生まれ。同志社大学名誉教授。日本考古学・日本文化史専攻。同志社大学大学院修士課程修了。72年から同大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

76
敗者と勝者、そして「勝者が歴史を塗りかえる」という言葉があるが、勿論敗者にも敗者の歴史がある。一般的には勝者ばかりスポットが当たるせいか、あまり明らかにされなかった敗者側の真実がここに語られている。古代史なので記紀の内容を知っている方が話が分かり易いし、敗者だけにあまりお目にかかれない歴史上の人物もいるので、読むと興味深い&時間を忘れて読んでしまう。読みやすさに関しても1章1章ごとに分かれているので読みやすいかな。。大好きな森先生が書かれた本。2014/12/01

謙信公

19
正史の上で敗者は損をする。敗者は悪人のような印象が与えられ、それが真実と錯覚する。書かれた文字の裏を読み解き、敗者の損を見つけて勝者の驕りに気付きたいと著者は訴える。タケハニヤス王、八十梟帥、両面宿儺、磐井や忍熊王など、地域から歴史を見直す「地域学」の考えや、外山茶臼山古墳と饒速日、鶯塚と狭穂姫、五色塚と仲哀、藤ノ木と崇峻など古墳の被葬者にも踏み込む。漢風諡号で最高の褒め言葉を与えられた「孝徳」天皇に対し、中大兄皇子はボロカス。ちなみに和束の猪が積まれた肉屋は、現在も猪の皮が物干竿に大量に干され、健在だ。2021/11/10

月をみるもの

14
森さんはたんなるバリバリの物証派考古学者ではなく、記紀をはじめとする文献もとてつもない深さで読み込んでいる。東遷が2度あった(それぞれが饒速日(ニギハヤヒ)と神功皇后の逸話に相当)とか、もともと九州出身の物部本家に磐井討伐をさせた、という解釈にはかなりの説得力がある。2019/01/26

とし

14
筆者は古代史の巨星なのだとか。本書は、正史には載らない、あるいは事実を改ざんして書かれることになる「敗者」に視点を当てて見直した古代史。神代と古代がどういう繋がり方をするのかに興味があるので、読んでみたのだが、基礎知識が相当にないと読みづらいし理解も難しいと思う。僕の場合、まず人名(神名)で大苦戦する。天皇についても諡号で統一してくれた方がわかりやすいんだが、幼名やら倭名で書かれると訓めないもんだから「記号」として見て読み進めることになって、自分のアホさ加減にうんざりしてくる(苦笑 とはいえ、勉強勉強。2016/03/10

月をみるもの

13
#建国記念日 にこそ読むべき一節:"これ(〜日本書記での神武東征の記述)にたいして『先代旧事本紀』(とくに巻三と巻五)が述べている饒速日の東遷話には具体性がある。『先代旧事本紀』は後世に付加されたとみられる序文を除き、主に物部氏の事績に焦点をあわせて記述している。この本は平安時代前期には成立していたとみられる。巻第五の「天孫本紀」は饒速日から書きだしている。天祖(天照大神)から詔と十種の瑞宝を授けられた饒速日は、天磐船に乗って河内国河上哮峰に降り、その後に大倭国(ヤマト)の鳥見白庭山に遷ったという"→続く2019/02/10

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