内容説明
これまで第一線で発掘をつづけ、その業績は世界的にも高く評価されている吉村教授。彼は、現場に立つ者だからこそ抱くさまざまな「疑問」に、常に目を向けてきた―古代エジプト5千年の興亡をたどりながら、ピラミッドやスフィンクス、太陽の船など、数多ある謎に迫る吉村教授の“執念”が本書には満載だ。
目次
先王朝時代・初期王朝時代(埋葬が語る先王朝時代;二人の神、ホルスとセトの争い;なぜミイラをつくったのか?)
古王国時代・第一中間期(ピラミッドは墓なのか?;ピラミッド時代の幕開け;五つのピラミッドをつくった王;ギザの三大ピラミッド;大スフィンクスはいつつくられたのか?;太陽の船;古王国時代の終焉)
中王国時代・第二中間期(上エジプトに花開く王朝)
著者等紹介
吉村作治[ヨシムラサクジ]
1943年、東京都生まれ。エジプト考古学者。サイバー大学学長、早稲田大学客員教授、工学博士(早稲田大)。1966年、アジア初の早大エジプト調査隊を組織し現地に赴いて以来、40年以上にわたって発掘調査を継続、数々の発見により国際的評価を得る。2007年、サイバー大学の初代学長に就任した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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柊
5
エジプトの人と言えば目の周りのクマみたいな化粧が思い当たる。美的センスの問題なのかなと思ったが、どうやらアレは「ハエ除け」だそうだ。ハエは悪霊の権化と言われていたらしく、物理的にも精神的にもそれの侵入を防ぐために、孔雀石などの顔料を入れて目の周囲を塗っていたそうな。ずっと単なるオシャレだと思ってたわ。2023/12/09
BIN
5
5000年どころではエジプトの歴史。ピラミッド建設のことに詳しい。よくそんなに詳しい年代までわかるなというのが、中国古代オタとして感心した。20世紀前半とかの発掘者は普通に爆破して穴開けたりして荒っぽい。歴史的価値というより発見者としての名誉の方が重要なのかなと思った。呪いで死んだ学者の話もあったが、吉村さんの体験談で酔っ払ってナイル川に落ちてしまって不幸にもなくなってしまったのでは?という話は面白かった。古い本だったので、最新の科学研究の成果でどう変わったか調べたいところです。2022/03/27
宇佐見
3
江戸東京博物館の「古代エジプト展」のために再読。エジプトに旅行に行ったときに本書を読んでいて、特に考古学博物館を楽しめた経験から。時折付いていけないこともあるが、紀元前何千年という遠い昔にエジプトという地で作られた建造物たちのことを考え続けている吉村先生の熱意には感服。物が主役だった本書から、人が主役になる下巻へ。。★★★☆☆2021/03/26
宇佐見
2
そもそも、そんなに歴史に興味があるわけではないので、ふーんという感じだが、ロマンがあるのは確か。4000年以上前のことなのに、こういう王様がいて、こういうふうに栄えて、滅んで・・がわかりやすく説明できることから、科学ってすごいなぁと思う。ピラミッド≠墓を唱え続けている根拠をしれたのも良かった。★★★☆☆2019/03/22
テツ
2
ピラミッド建設は当時の公共事業(農閑期の農民への仕事割り当て)だとか、二日酔いみたいなくだらない理由でもわりと自由に休んだりできたとか既に知っていることも多かったけれど面白かった。僕が子供の頃は奴隷に作らせたみたいな説が主流だったけれど大分変わりましたね。ピラミッドパワーやら未確認飛行物体の発着基地やらそんな荒唐無稽なストーリーがなくても太古の巨大建造物にはそれだけで浪漫がある。続編があるみたいなんで探してみます。2014/09/08