内容説明
詩が志であるかどうかということは、おのれの純粋化を極限にまで押しすすめるときに、おのれの志を他者へ披瀝し、自己との同一化を願う願望としての、他者と世界の変化を求めていることである。
目次
1 戦後詩論を受け継ぐもの(戦後詩論を受け継ぐもの;戦後詩の歴史的運命について―鮎川信夫と黒田三郎;黒田三郎の死;詩の残像;詩の全体性の回復について;抒情の彼方―「四季派」の悲劇;詩における性と暴力の表現;詩の人格性、その拡散と凝縮―詩は志たり得るか;モダニズムと民衆詩派)
2 現代詩の構造と地層(現代詩の虚妄;現代詩の意匠;現代詩の問題;現代詩の構造;現代詩の韻律;現代詩の方法―詩は常に前衛でなければならないか;現代詩の空間;現代詩の思想;現代詩の批評)