内容説明
20世紀スペイン演劇の最大の作家―ガルシア・ロルカ。宿命的な本能の力に翻弄される人物を主人公に描く。原典からの直訳による悲劇的な諸作品全12篇を収録した全三巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
uburoi
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三波春夫がこんにちは世界の国からと歌っていた頃、ダリの「内乱の予感」という絵を見て驚愕した。ロルカはそのダリの親友だ。内乱のさなかに銃殺されている。ブニュエルとも同級生である。ダリ・ブニュエルの作品には相当親しんでいるのだが、ロルカについては今まで疎かであった。巻末の年譜を眺めていたらそんなことを思い出したのだった。この巻には3大悲劇のうち『イェルマ』、女性版リア王ともいうべき『ベルナルダ・アルマの家』と魔術的リアリズムを感じさせないでもない『老嬢ドニャ・ロシータ』の3作が収められている。2015/02/28
takeakisky
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ロルカ、戯曲を読むのは初めて。スペインの印象は、土の赤、空の青、一面のオリーヴ、強烈な太陽、色の濃い緑、赤い壁、アルハンブラ。牧歌的、かつ情熱あふれるものを何となく予期して、イェルマから。非常に直線的で、それを情熱的な歌が飾る。テキストだけから思い浮かべるには限界があるが、観れば即ち酔い痴れた心持ちになるだろう。根源的な太い悲しみ。ドニャ・ロシータ。家政婦の存在が救いになっている。いい登場人物。イェルマより、しっとり感じさせる韻文がテーマを支える。三幕は愛おしい。目当ての、ベルナルダ・アルバの家。面白い。2025/12/22




