内容説明
往時瀧口修造に「小生にとってとりわけ感銘の深いもの、或はそれ以上の波動で小生に多くのことを考えさせ、自己検討を迫るもの」と言わしめた戦前から戦後の日本シュルレアリスム運動の鋭い分析の書。
目次
飛べない翼―状況としてのシュルレアリスム
シュルレアリスムへの断片
“幻想”のためのノート
夢について
白紙に至るまで―“反発見”の視座としてのことば
書くことへの距離
不眠の夢―あるいは日本のシュルレアリスム
言語実験の詩―永遠への試み
日本超現実主義の詩観―燃える白昼の夢へ
超自然とは何か―“超現実主義詩論”と“シュルレアリスム文学論”をめぐって
夢・すなわち呑まれた椅子―西脇順三郎とシュルレアリスム
瀧口修造論―日本シュルレアリスム詩騒動の流れのなかで
“妖精の距離”の意味―一九三〇年代の瀧口修造
夢のゆくすえ―上田敏雄と瀧口修造
帰ってきた子供たち―飯島耕一論
夢への距離―大岡信論
いま開いた鏡の底の―冨士原清一試論
反現実への偏執―棚夏針手とその作品
“土”への祝祭―ミロへの一視角
夢を超える“物”―ルイス・ブリュニエル小論
実地と彼岸から