内容説明
「漱石信仰」に囚われることを排し従来の“読み”を批判的に検討し作品を非主人公側にも視線を当てて読む時漱石というテクストはどのように見えてくるだろうか。中期を中心にテクストの襞にわけ入る解読。
目次
第1章 職業作家への道―現実否認の克服(『二百十日』の周辺―明治三十九年後半の漱石;『野分』論)
第2章 道義と自然―小説の模索(『虞美人草』前後;『虞美人草』論―小野と小夜子;『坑夫』論)
第3章 前期三部作の世界―愛の陰翳(『三四郎』の母―“森の女”をめぐって;広田先生の夢―『三四郎』から『それから』へ;自然の音―『それから』論;『門』の構造;『門』―恩寵と腐蝕)
第4章 後期三部作の世界―心の陰翳(『彼岸過迄』の構成;『行人』への一視点―精神病の「娘さん」;『こゝろ』―「先生」への疑念)
第5章 漱石の存在感覚―「人間の罪」
著者等紹介
酒井英行[サカイヒデユキ]
1949年岡山県に生まれる。1976年早稲田大学大学院文学研究科(日本文学専攻)修士課程修了。静岡大学(人文学部)教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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