内容説明
日本俳壇の代表作家西川徹郎の“実存俳句”文学の世界的領有を論証する文芸評論家桜井琢巳の絶筆!アポリネール・ダリ・ランボーなど西欧の詩や芸術と交響する西川文学の深層を究明。未完の侭、死を以て完結、文学史に永遠の光輝を放つ著者畢生の西川徹郎論。
目次
第1部 西川俳句その幻像の生成と特質(シュルレアリスム絵画と西川俳句;想像力の解放から幻想の詩型まで;西川俳句における連想と連作)
第2部 自伝と回想記の方法と作品世界(『無灯艦隊ノート』論;自伝的原風景から幻像へ;反抗的詩人の像と優しさ)
第3部 信仰と文学のからみ合い
西川徹郎宛書簡十七通(1992~2001)
著者等紹介
桜井琢巳[サクライタクミ]
1926年11月30日、茨城県南山内村(現、笠間市)に旧家桜井家の長男として生まれる。詩人・文芸評論家・仏文学者。詩誌「落下傘」主宰。日本ペンクラブ・日本現代詩人会・茨城文芸協会・茨城県日仏協会の理事等を歴任。1983年茨城文学賞、1987年茨城新聞社賞を受賞。1949年頃、サナトリウムで療養中に石川啄木、金子光晴等を読み、生と死をみつめつつ文学の熱い志を抱く。北関東を拠点に精力的に文筆活動を展開、多数の詩集や評論集等を上梓した。それらの著作は西脇順三郎、北園克衛、村野四郎、西川徹郎、塚本邦雄等をはじめ多数の著名詩人や文学者の激賞を受け、日本現代の真の代表的詩人・文芸評論家としての孤高の位相を確立した。晩年は特に西川徹郎の実存俳句の文学性の高さに感銘し、爾来、難儀な療養生活を続けながらヨーロッパの世界的詩人たちと西川文学を比較検証した西川徹郎論を起稿、『西川徹郎全句集』(沖積舎)の刊行を踏まえ、西川文学に内在する実存性やシュルレアリスムの表現の本質に肉薄し、「世界詩としての西川俳句」の論究を持続した。2003年4月29日、茨城県友部町内の病院で享年七十六歳で逝去
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 土に贖う