内容説明
20世紀が終わり、IT革命が急速に進行する21世紀へ。書物“本”の本来の価値、本ならではの持ち味の再発見、表情としての装幀の魅力などをわかりやすく問い語る。
目次
出版界の現状―今日の出版文化と装幀論
製本と装本―その相違点と製本の種類
装幀とは何か―丁と幀と釘と訂と綴
印刷物の形―巻子本、シートとスプレッド、冊子本
製本の形式―綴じ物の登場と製本の様式
装本の構成要素―デザイン的に
本の中身の構成―エディトリアル・デザインとレイアウト
紙のサイズと書籍の判型―本の大きさと紙との関係
装幀デザインの入稿―その手順と注意点
製本作業の工程―洋式製本工場の仕事と手順〔ほか〕
著者等紹介
田中薫[タナカカオル]
1941年埼玉県浦和市に生まれる。1964年東京学芸大学卒業。1965年桑沢デザイン研究所修了。図書出版二玄社を経て毎日新聞社出版局に勤務。毎日グラフ別冊編集長、美術出版部長、第二図書編集部長を経て、1995年4月から宮崎公立大学人文学部国際文化学科助教授、1998年同教授、「出版文化論」担当。日本出版学会、日本旅行作家協会、日本グラフィックデザイナー協会会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nappa
4
贈り物として頂いた本。本好きには興味深い。装幀については1年前くらいから興味を持つようになって、お気に入りの装幀画家さん買いもするようになってきたので、なんとリアルタイムな!と嬉しいチョイスでした。頂いた方に御礼を言おう。 2017/12/17
KTMYHR
1
京都は三月書房で購入しました。正直、自由価格本になっていなければ、手に取ることはなかったかもしれません。しかし、読み終えた今となっては、本屋という「ハコ」・そしてそこにある本という「モノ」、に関心がある自分は、出会うべくしてこの本に出会った気がします。本の各パーツの名称やら、それを支える複雑な製本過程やらが、お腹一杯になるまで(笑)語られます。そしてあとがき、「「形や重さ、厚み、手触り、質感」など、いわば〈テイスト〉がある。そこに「本」というもの本来の価値があるのである。」という一節… 参りました。2017/11/12
AR読書記録
1
本は読めればいい派で、装幀のために蔵書したくなるとかはほぼない(そういやフランス旅行時、卵パックの形の箱に入った玉子料理本は衝動買いしたな)。内容がよければ装幀がアレでも、まあもったいないなとは思うけど気にしない。という私が読んで装幀に興味がわいたかというと、うーん。ここで紹介されている装幀家さんたちの、ここをこう工夫したんだよ、という生の声が聞ける本を読んだほうがいいのかもしれない。いや、武井武雄のイルフ童画館とかよく行くし、小村雪岱も美術展見に行ったりしてるけど。そういうのは芸術と思ってるんだな。2014/06/04
_kragen_
0
今日読んだ3冊のノンフィクションはすべてリュウミン系フォントだった。モダンとレトロをうまくミックスさせたフォントで、ノンフィクションに向いているだろうか、DTP系の出版を席捲していくのだろう。...本と出版の話では、本の外側だけでなく内側の話も期待したいところ。この著者のそちらの著書も読んでみたい。2014/12/31
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