目次
第1部 プラスティック・ポエムの世界
第2部 アルバム(「VOU」装幀;書物装幀;雑誌装幀;カタログ・パンフレットのデザイン;装幀のためのデッサン;油絵;ショーウィンドー・ディスプレイ;ポートレート)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
52
黒紙や白紙に穴が空けられ英字新聞の紙面が見えている。らせん、三角、しずくの反復…やがて穴は人を象り、黒は夜、白は昼に。英字紙から成る人型は都市の音声に包まれ、歩き始め、踊り出すかのようだ。しばしば現れる人の眼は何を表すか。薔薇の形の紐がほどけるのがエロチックに思え、それが手首や星を囲うのが謎めいている…かと思えばくしゃくしゃに丸めた新聞を四角い箱に詰めた写真は死体でも隠しているように思える。北園克衛の写真を見ていると、どうしてもミステリみたいな事を考えてしまう。エラリイ・クイーンの本の装丁がぴったりだな。2016/08/25
保山ひャン
2
ペンのかわりに、カメラを使って書いた詩「プラスティック・ポエム」を中心に、書物の装丁やショーウィンドウのディスプレイ、ポートレートなどがおさめられている。プラスティック・ポエムでは、同じ素材が配置組み合わせを変えて何度も登場していたりして、「あ、またこいつに会えた」みたいな一種スターシステムめいたものを感じた。鶴岡善久による解題で「同じオブジェを何枚も撮影したり、はなはだしく類似の作品もあった」ため取捨選択があったそうだ。「おんなじやんけ」と思わせる完全版も見てみたいところ。栞の寄稿も面白かった。2016/12/02