内容説明
その素材を『イソップ物語』やインドの寓話に仰いだ。そして簡潔で軽妙な技法を巧みに駆使し『寓話』の特質であり教訓を控え目に嫌みなく語る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
116
寓話は、おとぎ話よりシニカルさに満ちている。人生の教訓に溢れているから。そして、ここに添えられたドレの絵の美しさが、さらに生々しく。フランスの小学生の教科書にもあるラ・フォンテーヌの寓話。かの国の道徳とエスプリの源かしらね。例えば「愛と狂気」~「愛」と「狂気」が一緒に遊んでいた。愛にはまだ目があったが、狂気には忍耐心がなく、殴られ、愛は光を失った。母のヴィーナスがその復讐を要求する。彼女の息子は杖もなく歩けない。そして神の法院は判決を下す。狂気は愛のために、その案内役を務めるべしと。ああ、神様。2021/04/22
Ted
3
'87年9月刊。△17世紀に活躍したフランスの国民作家、ラ・フォンテーヌの『寓話詩』からのダイジェスト。翻訳が少々こなれていないのが難だが、ギュスターヴ・ドレの緻密な挿絵と共に楽しめる。イソップ物語をフランス風に換骨奪胎した作品が多いので「蟻と蝉(キリギリス)」や「狐と酸っぱい葡萄」など広く人口に膾炙した物語もあるが、遠まわしすぎて寓意が不明のものも多い。欲張りや吝嗇を戒める寓話がユーモアと含蓄があって面白かった。2017/08/12
n yamamoto
2
面白い。 動物に例えて、しょうもない奴とは付き合うなとか、万人に好かれようとするなとか、為になる話をしてくれる。 「粉ひきと息子とろば」とか好きだなぁ。2016/12/31
nananacalling
1
ギュスターヴ・ドレの挿絵 今教訓2020/08/22