内容説明
エドガー・アラン・ポオの幻想的な名篇。名訳に更にドレの名画26葉が加わった挿画本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
61
大鴉は云います。「またとなけめ」。(もう二度とあなたの恋人は戻りはしないのだ)と。けれどわたしは、この「またとなけめ」を(あなたの生は一度しかないのだ」と解釈します。なんと深い言葉かと。微熱と共に〜。2017/09/21
おか
45
読み始めて直ぐに「あ〜〜!」と思った。これ高校の時に英語の教師にこの本の文庫本と 英語の原書を渡されて 両方読んでみろって渡された^_^訳文は多分(余り確かではないが^_^;)日夏さん。日本語の方が古文読んでるみたいで難しかった^_^;ただ今回音読してみたら すこーし詩の色合いが理解できた様な気がする。昔は勉強だと思っていたから 判らない漢字やその意味を辞書と首っ引きでやっていたから 全体像が全く浮かばなかったけど 今回は声を出して雰囲気のみを掴もうとしたのが良かったみたいです。ドレの挿画も良かった。2017/05/30
まさむ♪ね
45
「またとなけめ」、無情の言葉を発する不吉の鳥がもたらすものは深い闇とかすかな光。「またとなけめ」、二度目はない、くり返しは決してない、すべてのことは一度きり。「またとなけめ」、くり返さないをくり返すいまいましき黒き翼は夢を見せる。愛しきものははるか彼方へ。「またとはなけめ」、失ったものはもう二度ともとには戻らぬ、ならば光の扉を開け放ち、癒えぬ哀しみは闇に還れ。2016/03/09
ペグ
31
アラン・ポーの作品は、いつも肉体的ダメージが大きいです。皮膚の表面は冷たく寒気がするのに内側は微熱に侵される感覚。今回も同じような感覚でした。 「チェシャーチーズ亭のネコ」のレイヴンは博学で知恵があり良く喋りましたが、このレイヴンはたった一言、nevermore〜またとはなけめ。日夏耿之介氏の訳はドレの挿し絵と共に素晴らしい‼︎ いつかこの詩をちゃんと理解出来るようになれれば良いなと思います。2017/01/13
美東
15
Edgar Allan Poe の詩 ”The Raven” の翻訳となってはいるが、「本歌取り」といった態であり、(翻訳者)日夏耿之介の芸術観の開陳に実は主眼があるように思われる。2024/09/05