内容説明
「すべての人が認知症とともにあたりまえに生きる社会」に向けて、私たちは何ができるのか。認知症の本人、医師、支援者が、それぞれの挑戦や葛藤をふり返り、“これからの認知症ケア”のあり方を問う。
目次
1 認知症とともに生きる―本人の声を聴く(「認知症でもできること」から「認知症だからできること」へ;認知症になっても暮らしやすい社会をつくる)
2 認知症の人の心を理解する―医師として(初診時から始まる認知症の人の心への支援;認知症のある人とのかかわりから学んだこと)
3 認知症の人とともに暮らしをつくる―福祉専門職として(認知症の本人とつくる地域・社会―forからwithへ;だれのため、何のための私たちなのか;認知症のある人の仲間づくり、役割づくりが社会を変える;「ともにある」ということへの想像力―「意思決定支援」を超えて)
「認知症ケア」という前に考えたいこと―人の“間”にある学びと実践
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
50
【「ありのままに自分」が抱く違和感や疑問、怒りや葛藤など、あらゆる感情と正直に向き合い、思いを実現するためために、実践への始めの一歩を踏み出してほしい】六車由実氏らの支援者や当事者などの9人が、それぞれの挑戦や葛藤を振り返って、これからの認知症ケアのあり方を問う書。<本書は、認知症の本人および、これまでの“認知症ケア”の常識に、違和感を覚え、気づきと自己批判を経て、新たな実践を始めている私たちがいま、何を考え、どのように行動し、何を変えようとしているのか、それぞれのエピソードを交えて執筆しています>と。⇒2024/03/22
huyukawa
1
悩みながら少しずつ進んでいく。それはほんとうにたいへんなことで、読むことが少しつらい本であった。「あたりまえ」に生きていくことがこれほどまでにたいへんな社会である現実を考えるたびに心が重くなる。2021/10/18
おと🦁🐾
0
「認知症の診断、薬物治療および身体管理」以外の「医療ができること(悪い方に偏った認知症感の早期からの改善、家族への心理教育)」に取り組む医療施設が、今後、増えてくることを願っています。精神科医:大塚智史2024/10/13
okatake
0
認知症当事者を始め、介護・ケアの現在のトップランナーたちによる実践記録。 認知症という症候群による特徴からのケアの特質を持つ反面、全ての症候群や疾病に共通するケアや支援方法もある。そして、支援する・支援されるという二項対立を超えたなかでの関わり合い。 病いをピックアップしないとならば、「○○とともにあたりまえに生きていく」は、すべての人に当てはまるものです。 2021/11/08