出版社内容情報
ノーベル文学賞作家 川端康成の長編小説。
親譲りの財産できままな生活を送る島村と雪深い温泉町で生きる旅館芸者の駒子、そして、その二人の間に現れた葉子との人間関係を軸に展開する哀しくも美しい物語。
『雪国』は日本国外にいる日本人からも故国の郷愁を誘う作品として深く愛されてきた作品です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
6
ノーベル賞授賞時のインタビューで川端が「日本語で読まれておらず、きっと訳が良かったんだろう。私は受賞を辞退した方がいいかもしれない」という趣旨の話をし伊藤整と三島由紀夫を驚かせた映像を見てからずっとこのサイデンステッカーの英訳を読んでみたかった。その時「それは日本文学の永遠の課題」と三島が言ったけれど、この訳を読むと、文学論云々とか「黒々とした溝」(江藤淳)とかいうことよりも、そもそも如何に英語と日本語で言語構造が違うかという「発見」に感動すら覚えた。ただ一箇所疑問なのは、p119の誤訳(?)→【メモ】2013/11/16