内容説明
『大学教授』(1991年)、『続大学教授』(1992年)といった著書の中で「教授」たちの無能ぶりや非常識を批判してきた著者は、その後、自ら勤める大学の学部長、学長となった。学内サービス業務の最高責任者として体験した大学の現実―。本書は、著者自身の自己点検・評価報告書。
目次
第1章 私にとって学長とは何であったか―三年間を顧みて
第2章 大学改革とはいうものの―真の改革とは何か
第3章 大学は自らを律せるか―自己点検・評価ということ
第4章 地位を求める人々
第5章 入試業務は大学最大の行事
第6章 無責任な体制―ことばには責任が
第7章 学生を育てる―理解するとはどういうことか
第8章 教養教育の変質―“教養”は不要か
第9章 規律と倫理―学問的良心との関わり
第10章 学長と研究―大学における日常
第11章 心と健康―日常の中から
著者等紹介
桜井邦朋[サクライクニトモ]
1933年、埼玉県生まれ。1956年、京都大学理学部卒業。同大学院で地球磁気学および太陽地球系物理学を専攻。1961年、京都大学助手。1965年、同助教授。1968年よりNASAゴダード宇宙飛行センターに滞在、太陽物理学、電波天文学について研究する。1974年~76年、メリーランド大学教授。1976年より、神奈川大学工学部教授(現職)。神奈川大学国際交流センター所長、工学部長を経て、1997年より学長を3年間務める。1989年、全日本学士会より、高エネルギー物理学の研究に対し学術賞を受賞。ニューヨーク科学アカデミー会員。アメリカ、アラバマ州ハンツビル名誉市民。学長退任後、宇宙線や太陽物理の研究を再開。最近は認知科学の面から人の脳と心の発達の関わりを探る研究に興味を持っている
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