内容説明
リベラルな国際秩序が、世界で重大な挑戦を受けつつある現代。そもそも国際秩序とは如何なるものなのか、何がそれを揺り動かす要因となるのか。9人の論者が改めて検討し、国際法・歴史・理論の観点から展望する。
目次
国際秩序を捉える3つの視角
第1部 国際法秩序の変容と発展(武力行使規制をめぐる国際法秩序の発展―非国家行為体に対する自衛を素材として;「経済の安全保障化」は国際通商秩序をいかに変容させるか;保健・衛生をめぐる国際法の変容―感染症対策における国際保健規則上の世界保健機関の役割を素材に)
第2部 地域秩序の歴史的変容(1960年代における「インド太平洋」地域秩序の模索;1970年代アジア太平洋地域における「正統中国」を賭けた戦い―「統一戦線工作」と「対匪闘争」のせめぎ合い;海洋国家としてのフランス―「インド太平洋」をめぐる国際政治)
第3部 国際秩序の構造的変容(大国間競争とASEAN中心制度―権力移行期におけるアジアの多国間主義の展望;人権か、それとも主権か?―ロシアによる欧州人権レジームへの加入・対立・離脱;リベラル覇権秩序の正統性の劣化―規範構造からみた国際秩序の変容)