内容説明
脱国家的抵抗から超国家的運動へ。白人至上の国際的人種秩序に挑戦したBLM(Black Lives Matter)運動の先駆けとも言うべきトランスナショナルな運動の全容。
目次
第1章 ガーヴィー運動の所在
第2章 ガーヴィーの軌跡―ジャマイカからアメリカ合衆国へ
第3章 政治的独立と脱国家主体としての「黒人」
第4章 経済的自立とブラック・スター・ライン
第5章 『アフリカ帰還』運動とリベリア
第6章 南アフリカにおけるガーヴィー運動
第7章 国際的人種秩序と日本
おわりに
著者等紹介
荒木圭子[アラキケイコ]
東海大学教養学部国際学科教授。1995年一橋大学法学部卒業。2000年8月より2003年5月までカリフォルニア大学バークレー校大学院アフリカン・アメリカン・スタディーズ研究科に留学。2003年同大学院よりMaster of Arts授与。2006年慶應義塾大学大学院単位取得満期退学。博士(法学、慶應義塾大学)。東海大学非常勤講師、同専任講師、同准教授を経て2021年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
18
第一次世界大戦後のアメリカを拠点に黒人による大衆運動を展開したマーカス・ガーヴィーの活動を振り返る。ガーヴィーの目指したものは、世界各地の黒人の地位向上の実現と、民族自決の原則に則って、黒人近代国家の建設も視野に入れた壮大なものだった。ただ、公民権運動が主流の黒人運動史においては、ガーヴィーの「アフリカ帰還」のような分離的傾向を持つ運動は傍流に位置づけられる。一方、今日のアフリカン・ディアスポラやパン・アフリカニズムの再認識には、ガーヴィー運動の脱国家的なあり方が根底にあることを示している。2024/02/22
Go Extreme
1
ガーヴィー運動の所在:アメリカ黒人史のなかのガーヴィー運動 ガーヴィーの軌跡―ジャマイカからアメリカ合衆国へ:人種とパン・アフリカニズムへの目覚め ハーレムからの出発 運動の拠点としてのアメリカ 政治的独立と脱国家主体としての黒人:第一次世界大戦と自決権 キリスト教と黒人解放の論理 国際連盟への嘆願 経済的自立とブラック・スター・ライン:営利企業と社会的企業のはざまで アフリカ交易船の夢と現実 『アフリカ帰還』運動とリベリア 南アフリカにおけるガーヴィー運動 国際的人種秩序と日本:アジア主義者とガーヴィー2021/10/19
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