内容説明
徹底取材によって浮かび上がってきた、常識を超える企業論理。無競争志向がもたらす前川製作所の価値創造。
目次
1 前川からMAYEKAWAへ(町工場のDNAを持ち続ける;「脱皮」によって成長する)
2 ものづくり(プロダクトアウトの限界に打ち勝つ―ニュートン;顧客の取引先と結びつく―トリダス;失敗を成長材料に変える―11事例の分析を通じて)
3 ヒトづくり(共同体発想で個を活躍させる;知識を身体化させる;「動」と「静」の人材を活用する)
著者等紹介
恩藏直人[オンゾウナオト]
早稲田大学商学学術院教授。1959年生まれ。早稲田大学商学部卒業、同大学大学院商学研究科修士課程および博士後期課程修了。同大学専任講師、助教授を経て、1996年より教授。専門はマーケティング戦略
永井竜之介[ナガイリュウノスケ]
高千穂大学商学部助教。1986年生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業、同大学大学院商学研究科修士課程修了の後、博士後期課程へ進学。同大学商学学術院総合研究所助手を経て、2016年より現職。専門はマーケティング情報、消費者行動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Naohiko Oikawa
1
「顧客の利用場面への観察に基づくイノベーション」「ヒエラルキーを排したチーム主体の組織構造」「マーケッターとエンジニアの協働」「β版を提供しながら徐々に完成」「担当以外のプロジェクトへの参加の奨励」「ダイバーシティの重視」...こんなキーワードを並べると、トレンディなシリコンバレーのベンチャー企業あたりが頭に浮かぶことでしょう。 しかしながら、これらのキーワードは、すべて前川製作所というB2Bの産業機械メーカーの経営において実践されていることなのです。しかも、驚くほど徹底的に。 素晴らしいケースです。2018/01/07
oosugitai
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MPC関連の論文や本を読んだときに、どうしても京セラのアメーバ経営が出てくるが、どちらかというと、前川製作所の独法経営の方が面白いし、それを解消した経緯も面白い。稲盛のフィロソフィーを否定しないが、特異なフィロソフィーとその徹底が不可欠なアメーバ経営を読むより、前川製作所の事例を読む方がMPCには適しているように感じる。2022/06/12