内容説明
本書は、従来の企業金融論的な枠組みを拡張することにより、日本的システムの評価を資本コストの観点からまとめたものである。はじめに、企業金融論の問題の所在がどこにあるのか、コーポレイトガバナンス論と企業金融論の関係をどのように捉えればよいのかに関する概説を与える。次に、特に環境的不確実性、通信的不確実性といった要因を分析するための企業金融分析上欠くことのできない概念について、著者なりのまとめをする。これを踏まえて、投資、資本構成、配当政策といった個別テーマの分析を行い、それぞれについて日本的コーポレイトガバナンスの影響をみる。さらに、これらの応用として、景気変動、株価について、日本的システムにおける企業金融行動の影響を明らかにする。
目次
第1章 企業金融論の現代的課題
第2章 不確実性下の企業金融分析の基礎
第3章 日本的金融システムの構成要素
第4章 投資理論
第5章 最適資本構成
第6章 配当政策
第7章 景気と資本構成
第8章 コーポレイトガバナンスと株価形成
第9章 おわりに