感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三柴ゆよし
4
再読。生き別れていた母親との再会も束の間、なんともあっけない死を遂げる主人公。茶碗と箸の区別もつかぬ糞餓鬼の頃、この結末には開いた口がふさがらなかったものだが、今回それとはまったく別の意味で呆然としてしまった。この無常観は只事ではない。すべてが条理に合っていながら、これ以上もなく不条理なのである。なぜか。すなわちそれは水木しげるという漫画家の思想が、人間とは運命の前にあって、あまりに無力で矮小な存在でしかない、というテーゼに貫かれているからに他ならない。水木作品のなかでも屈指の傑作である。2010/07/28
苔丸
1
昭和天皇がマンガに出ているのは、非常に珍しい歴史物等ではあるが、創作物でしかも通りすがりの昭和天皇に助けて貰うなんて驚きました。人物を簡略して描く水木が天皇は丁寧に描いてしかも上手い。帽子を振る天皇の右手が不自然な五本指なのは私の考えすぎか?貸本時代は殆ど一人で描いているので思う存分絵を楽しめるのが良い2013/03/25
Doughnut
0
巻末の対談は重要。生きることが戦いだったころの筆致2016/06/29
zhi_ze
0
主人公の三平が……まさかの結末。全然、ハッピーエンドではないのに、この後味の良さは何だろうか? 三平、河童、たぬ吉、死神といったキャラクターが大好きだ。彼らのドタバタをもっと見たい。あと欲を言えば、花子をもう少し活躍させてほしかった。最後まで意表をつく展開で面白かった。2011/06/22
しんぺい
0
時間がなくて流し読み。上巻に比べると読みにくく、一読では分からない。再読が必要。2010/11/28