内容説明
1962年から1972年に描かれた珠玉の短編集。代表作『青春裁判』『花いちもんめ』から1972年、女性誌に掲載された『井上陽子の場合』まで。全11作を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nepenthes
2
じんわりと心に響き残るような切なく優しい作風が著者のイメージですが、本書にはそれに留まらないバラエティ豊かな作品が収められています。タイトル通り時代の空気を存分に含んでおり、その点も充分楽しめます。情緒豊かで人間臭く、優しく切なく、懐かしい。2023/02/24
龍國竣/リュウゴク
1
実に丁寧に書かれた作品。人情というものが根底にあり、それは現代を生きる私達にも伝わる普遍的なものである。アニメーションかと見紛うような動きの、それもゆっくりとした描写。この二つによって読者を安心させ、また穏やかな内に共感する魂の温もりが感じられる。 2013/01/11