出版社内容情報
夢⇔目標、安心⇔安全、早い⇔速い、一部⇔部分、成功⇔幸福etc.――これら2つの言葉の違いは何? 国語指導のカリスマが「考える力」を飛躍的に伸ばす方法を独自の視点から具体的に明示。年齢を問わず、全ての人に役立つ必携書。
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(以下、第1章より)
以前、求人情報サイト「バイトル」(ディップ株式会社)のテレビCMに、興味深い内容がありました。乃木坂46の齋藤飛鳥さんと白石麻衣さんが話しています。バイトルアプリのメリットを伝えようとしているやりとりです。
齋藤「探すんじゃなくて?」
白石「え・ら・ぶ・ん・で・す!」
というやりとりがあって、最後は、「探すから、選ぶへ」という字幕がついて終わります。これがこのCMの骨組みです。
バイトルでは、(バイトを)探すのではなく、選ぶんです。
こう言われて、すぐに「ああ、なるほど、それはメリットだな」と思いますか?
正直なところ、「分かったような、分からないような」という感じですよね。
なぜでしょうか。
それは、「探す」と「選ぶ」が、対比になっていないからです。
もっと単純に言えば、反対語になっていないのです。
「探す」と「選ぶ」は、どう違うんだろう?
ちょっと注意深くCMを見ていれば、こういう疑問が自然にわいてくるでしょう。
実は世の中、このように「いや、だからさ、それどう違うのよ?」と問いただしたくなるメッセージが、そこかしこに転がっているのです。
今回のCMは制作者が意図的にやっている(わざと分かりにくくしている)可能性もありますが、一般的には、そういうケースは多くありません。
発信者自身は「これで分かるはずだ」と思っているのですが、受信者にしてみればよく分からない、というケースのほうが多いのです。
「分かったつもり」の情報発信。
何らかの主張を訴えかけようとするとき、この現象は簡単に発生します。
テレビ番組。ネット記事。配信動画。新聞記事。本や雑誌。
打ち合わせ。会議。面接。商談。プレゼン。あるいは単なるおしゃべり。
どこででも生じます。
あなたが発信者になることも、受信者になることも、どちらもあるでしょう。
どうすれば、「分かりやすく」発信できるのか。
「分かりにくい」情報を受信したとき、どうすれば「分かる」のか。
カギは、「反対語」にあります。
とりあえず、先のCMを例に考えてみましょう。
(続きは本書へ)
内容説明
国語指導のカリスマが明かす、全く新しい思考習慣―。
目次
はじめに 確固たる思考力を手に入れるための唯一の「問い」
第1章 なぜ思考力アップのカギは「反対語」だと言えるのか?
第2章 抽象的な言葉の違いを考える1
第3章 やや具体的な言葉の違いを考える1
第4章 抽象的な言葉の違いを考える2
第5章 やや具体的な言葉の違いを考える2
第6章 抽象・具体を問わず、違いを考える
終章 気構えひとつで思考力は大いに伸びる
おわりに 学校も塾も与えてくれなかった価値
著者等紹介
福嶋隆史[フクシマタカシ]
株式会社横浜国語研究所・代表取締役。1972年、横浜市生まれ。早稲田大学第二文学部を経て、創価大学教育学部(通信教育部)児童教育学科卒業。日本リメディアル教育学会会員。日本言語技術教育学会会員。日本テスト学会会員。公立小学校教師を経て、2006年、ふくしま国語塾を創設(JR横須賀線東戸塚駅・徒歩2分)。ふくしま国語塾では、「国語力とは論理的思考力である」という明確な定義のもとで、日々の授業を行っている。長い文章をだらだらと読んだり書いたりするような旧来の方法ではなく、論理的思考の「型」の習得に重点を置き、短い文章の読み書きを徹底的に行うことによって言語技術を身につける。その結果として、生徒は、大人になってからも自分の人生を支えてくれる思考技能を獲得する。こういった一貫した指導法は、新聞・TV・雑誌等、さまざまな場で幅広い支持を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。