内容説明
織田信長の実弟にして、本能寺を生きのび、戦乱の世を生き抜いた茶人・織田有楽斎の視座から武将たちの生きざまを描く。「へたれの源吾」と言われながらも、時代の流れを見通し、家康の死後まで生きた織田有楽斎。その茶の湯と生涯に秘められた思いとは―。
目次
序章 本能寺―逃げる有楽
第1章 へたれと大うつけ
第2章 「麟」か「天下布武」か
第3章 秀吉の時代
第4章 夢のまた夢
第5章 茶の湯太閤
終章 如庵―そして椿の花一輪
著者等紹介
岳真也[ガクシンヤ]
1947年、東京に生まれる。慶應義塾大学経済学部を卒業、同大学大学院社会学研究科修士課程修了。学生作家としてデビューし、文筆生活50年、著書約160冊。2012年、第1回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞。日本文藝家協会理事、日本ペンクラブ理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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R
38
有楽斎を通してみる織豊時代の物語。長益が主人公ではあるが、狂言回し的な立ち位置で、確かにあの危ない時期を生き抜いた武将の一人ではあるものの、大きな事件や、大人物の動静といったものを見守ったというか、見ていただけという感じで、三英傑のおさらいによい内容だった。お市様が姉にあたるというのは、言われてみればなるほどだったんだが、お市姉というキャラはあんまり見たことなかったので、そこは新鮮で面白かった。利休も傑物の一人として描いているが、茶の湯については内容薄めだったのが残念。2023/03/12
ガタコ
1
織田信長年の離れた弟、有楽斉。有楽斉を通じて秀吉、信長、家康の性格的なものもえがかれていたり、茶道の流派についても興味深く読むことができた。 2021/06/25
夾雪
0
サントリー美術館の展覧会を見に行って有楽斎に興味が湧き、読んでみた。織田信長の弟でありながら控えめな性分で、表立った活躍はないものの、本能寺の変や関ケ原の戦い、大坂の陣など随所を経験しており、三天下人や淀君との関わりも深い。他の武将とも茶の湯外交をしている。地味な存在ながらも重要な人物だったのではと思わされた。いつか大河の主役になってくれたらと思う。2024/03/10