内容説明
道元禅師の真筆が弟子の代筆と誤解されている。道元の書について、初めて筆跡鑑識により、真相を究明。その書が道元の基本思想に基づいた必然の書であったことを明らかにする。
目次
はじめに―論考の要点と概略
筆跡の鑑識―鑑識の方法
「月見の像」の検討
「身現円月相」の「鏡の御影」
「鏡の御影」像容と性格
「普勧坐禅儀」の性格と書風
筆跡の鑑識
不染汚の修証を具現する書
書風の変移と鑑識の要点
羅漢供養講式稿本断簡
最晩年の遺墨『佛遺教経』
禅林墨跡と道元の書
不染汚の修証と禅芸術論
『正法眼蔵辨道話』
道元の思想と「坐禅儀」の変移
道元の入越と白山越前修験道
道元の教化と宗教都市平泉寺
平泉寺修験に対する教化
道元と本覚思想
白山修験と達磨宗僧団
道元の出家主義と白山越前修験道
入越にみる教説の変革と機の教化
道元と北条時頼
道元の思想と対機の教化
教化における「法と機」
大いなる伝道の書『法華経』
十二巻本『正法眼蔵』と機の教化
十二巻本『正法眼蔵』の要諦
著者等紹介
岩井孝樹[イワイコウキ]
美術史家。1933(昭和8)年生まれ。福井大学学芸学部卒業。東京大学史料編纂所内地研究生、福井県立美術館資料調査員、大野市博物館館長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。