内容説明
『法句註』を参照することにより、『ダンマパダ』各詩偈の教えがはじめて理解される。本書では、その教えを解説する中で、主に『正法眼蔵随聞記』の記述を併せて取り上げ、釈尊から阿難へと伝承されていくごとく、道元から懐奘へて伝えられた教えも、伝統を尊重する視点から見れば、一つの共通する、まさに真実の仏法を説いていることを示す。
目次
一対の章
不放逸の章
心の章
花の章
愚者の章
賢者の章
阿羅漢の章
千の章
悪の章
鞭の章〔ほか〕
著者等紹介
片山一良[カタヤマイチロウ]
1942年兵庫県赤穂市に生まれる。1965年駒沢大学仏教学部仏教学科卒業。1967年駒沢大学大学院修士課程修了。現在、駒沢大学仏教学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroki Nishizumi
2
字面は追えるし、内容も理解できる気がする。変わったことは書いていない。でも読んだ、という気になれない。出来ればどなたかに章ごとの講義をお願いしたい気分だ・・・2020/11/22
やまえつ
0
ダンマパダというブッダの遺した詩集を、註釈とそれぞれの詩に関連する内容の言葉を「正法眼蔵随聞記」から紹介した本。詩だけだと意味がよくわからないものも、註釈付きでよく分かる。ただ随聞記は文語なので分からないものもあった。毎晩寝る前に少しずつ読んでやっと読み終わった。また読みたくなる。2013/11/19
イチ
0
ダンマパダの全詩と因縁譚を収録。すごい本。死ぬまでに何度も読み返すことになると思う。仏教徒を自称する人は必読の書ではないでしょうか。2010/03/03
とだうず
0
著者による「ダンマパダ(法句)」の現代語訳、五世紀のブッダゴーサによる「法句註」、それから道元禅師の「正法眼蔵随聞記」の部分的な引用が含まれている。「正法眼蔵随聞記」は興味深いが、ブッダゴーサの「法句註」は読むに耐えない代物だ。現実離れした馬鹿げたエピソード集で、訳者が「これによって各偈の意味とその背景を充分に知ることができる」と書いているのには目を疑う。原始仏教が時代を追うにつれ堕落していった証拠そのもののような酷いものだ。ダンマパダの訳としては、中村元の書き下し訳より語感がよくて個人的に好みだった。2021/07/02