内容説明
空の仏教学からプルシャの仏教学へ。「空が仏教、有は外道」なのではない。有が空なのである…。近代主義の虚妄を排して仏教本来の有の世界観を再建し、進んで世界の有をその「身体性と生命」とする仏教の隠れたる神、そしてわれわれ現代人の人間すべてに開かれた「開放系の神」としてのプルシャの思想を提示する。現代仏教学のターニングポイントを画する待望の書。
目次
1 釈迦の仏教学からプルシャの仏教学へ―山折哲雄(国際日本文化センター)教授との対談より
2 縁起説のさらなる根拠について―法(dharma)の構造とその思想的意味
3 『般若経』から『華厳経』へ―大乗仏教の世界観とその思想的制約
4 無明とは何か―奈良康明博士『仏教討論集・ブッダから道元へ』より
5 「開放系の思想」と「大地」の意義―日本密教学会第二十三回学術大会記念シンポジウム「密教と自然」より
6 dh ̄atuの本質と構造―有の仏教学から神の仏教学へ



