目次
米搗くがあまりのろしと吾が父は俵編みゐて怒るなりけり(山麓)
ひた赤し落ちて行く日はひた赤し代掻馬は首ふりすすむ
入りつ日に尻をならべて百姓ら田なかの土を掘りやまずけり
梅雨病の頭に灸を据ゑなむと桑の香のする村行きにけり
今夜こそ夜のありたけを眠らめとねむりこがるる蚕飼づかれに
田草とる田面に無量の白玉跳ねて真夏の雨にわが蓑ぬれぬ
金色の粉飛ぶごとき夕暮をわが魂は好めるらしも
今日もまたひどき吹雪となりにけり米搗場の穴に眼あてて見れば
今夜こそ水盗まむと忍び来しはるけきかもよ山焼くる火は〔ほか〕
著者等紹介
高橋光義[タカハシミツヨシ]
1934年山形県寒河江市に生まれる。1955年歌誌「赤光」に入会、結城哀草果に師事する。1959年歌誌「アララギ」に入会する。1997年『茂吉歳時記』三部作に対し、山形県芸術文化会議賞、翌1998年に野の文化賞を受ける。2005年現在「山麓」選者、みちのく文苑短歌選者、新アララギ会員、日本ペンクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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