内容説明
社会の中で市民と共にあろうとしたノンフィクション作家・松下竜一(一九三七~二〇〇四年)。生涯の文業の総検証を通じ、その意味と問題を明らかにするとともに、近代一六〇年の「日本文学」に根本的に欠落してきたものをも併せて問う。戦後文学を批判的に継承する作家による、徹底考察―東京電力福島第一原発事故・コロナ禍・構造的貧困の果て、滅亡の危機の迫るなか、人間の命と尊厳を死守するため、今まさに読まれるべきテキスト群。全一六〇〇枚・総七〇〇ページ。
目次
1 燦然たる黎明
2 生命の秘儀
3 資本主義の被岸へ
4 闘いこそが民の「遺産」
5 天皇の影の下に
6 そして、私たちは―
著者等紹介
山口泉[ヤマグチイズミ]
作家。1955年、長野県生まれ。1977年、東京藝術大学美術学部在学中に『夜よ天使を受胎せよ』で第13回太宰治賞優秀作を得、文筆活動に入る。以後、小説と評論の両面から現代世界の自由の問題を追求。2019年以降、絵画制作も再開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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