内容説明
1980年代末に民主化運動の波のなかから生まれた台湾原住民文学。漢人、そして日本人からの支配によって歪められてきた原住民の悲しみと秘められた豊かさに真正面から向き合い、90年代はじめから30年間追い続けてきたこの分野の第一人者が、これまでの研究成果をまとめた本邦初の台湾原住民文学研究書!
目次
1 ふたつの物語―「サヨンの鐘」と「義人呉鳳」(「サヨンの鐘」物語の生成と流布過程;日本から逆輸入された『サヨンの鐘』の物語―中央舞台の台湾上演と呉漫沙の『サヨンの鐘』;物語の終焉―映画と教科書の「サヨンの鐘」 ほか)
2 台湾原住民文学の世界(台湾原住民文学序説;台湾原住民文学とはなにか;トパスタナピマ小伝 ほか)
3 台湾原住民文学点描(霧社からのまなざし;山海の世界;山地の文学 ほか)
著者等紹介
下村作次郎[シモムラサクジロウ]
1949年和歌山県新宮市生まれ。関西大学大学院博士課程修了。博士(文学)。天理大学名誉教授。80年8月から2年間、中国文化大学日文組交換教授。2000年9月から半年、国立成功大学台湾文学研究所客員教授。20年2月から半年、国立清華大学台湾文学研究所客員教授。12年、一等原住民族専業奨章受賞、18年、第5回鉄犬ヘテロトピア文学賞受賞、21年、日本台湾交流協会表彰、同年、台湾文学貢献奨受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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