内容説明
渋谷ホームレス殺人事件から丸2年。いま問いかける“普通の人々”の実相!気がついたらいつのまにかホームレスになっていた66歳の十和子さん。その十和子さんをなんとか助けようと孤軍奮闘する公務員の永山くん―日ごと酷さを増す社会のひずみに陥る“普通の人々”の実相を、元公務員作家が巧みなフィクションで描く!
目次
九月中旬
九月下旬
十月初旬・1
十月初旬・2
十月中旬
七月~八月
十月下旬
八月
十月下旬~十一月中旬
十一月初旬〔ほか〕
著者等紹介
春日いと[カスガイト]
埼玉県浦和市に生まれる。父親の転勤に伴い、千葉県、東京都、愛知県などで育つ。地方公務員となり、在職中に放送大学大学院修士課程修了。定年退職後、朝日カルチャーセンター立川教室にて「小説のレッスン」を受講する。2020年、はじめての著書となる小説『山のあなたの』を田畑書店より刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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marumo
13
ホームレスになってしまった女性と、彼女になんとか生活保護を受けさせようとする市職員の物語。逃げるホームレスと追う職員という構図は意外だった。作者は元公務員とのこと、こういう場合もあるのかなあと興味深く読んだ。ホームレスになってしまった十和子が驚くほど甘っちょろくて世間知らず…と思うのは私だけ?大卒、66歳、独身女性とは思えない年寄りくさい発想にイライラ。生活保護を無闇に恥と捉える感覚ってもう少し上の世代では?中盤は垣谷美雨なのに冒頭&ラストが絶望的という珍しいタイプ。どういう感想が正しいか迷うわ。2023/05/26