内容説明
外国人による犯罪捜査にあっては、国際法や国際慣習上の手続きを踏むことはもとより、適正な通訳人の確保や通訳の正確性の担保、被疑者の身上・前科前歴関係の確定、国外にある関係証拠の入手などが要求される上、外国人のほとんどが日本語に通じておらず、かつ、わが国の刑事司法制度に対する理解が乏しいことから、捜査の第一線においては、さまざまな混乱や戸惑いがあることは否めない現状にある。本書では、こうした現状を踏まえ外国人の基本的人権を尊重しつつ、後日、捜査手続きや取調べ内容に関し、無用な紛争をもたらすことのないように実務上の留意点に配慮し、外国人の犯罪捜査に最低限必要な知識や手続きを網羅するとともに、最近の出入国管理及び難民認定法違反等の関係法令の改正や外国人特有の犯罪にも留意して、迅速、かつ適正な外国人犯罪の捜査処理に資するべく、内容をまとめた。
目次
第１編 外国人犯罪捜査総論（外国人犯罪捜査；外国人犯罪態様・類型表（罰条・罰則）
出入国記録等（入国管理局）の照会についての留意事項
密航ブローカー「蛇頭」
密航者取調べ事項
偽装結婚事件）
第２編 外国人犯罪捜査各論（出入国管理及び難民認定法違反等の犯罪事実記載例；実務捜査書類記載例；外国人犯罪供述調書）
