内容説明
ジュンタは高校2年生。クラスでは目立たない。それどころかほとんど言葉を発しない。何を話したらいいのかわからないのだ。夢中になれるものは今のところ見つかっていない。みんなと一緒にはしゃいだり、部活に入って頑張ったりするのは恥ずかしい。いわゆる帰宅部だ。屋上に続く階段の踊り場で、ジュンタはテツヤ、レイに出会う。テツヤは最近サッカー部を辞めたばかり。レイは福島からの転校生だった。6月のある日、テツヤが「帰宅部」をつくろうと言い出した。不登校のカンを仲間に入れて、4人の帰宅部の夏が始まった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
53
あらすじや帯のユルそうな雰囲気とはまるで違うずっしりとした内容に戸惑い、引っ掛かりはありつつも読み応えはあったかな。『よくできました』。無関心・無気力を装いドラマチックな不幸に憧れ、普通の高校生の輪に加われない主人公・ジュンタが人を見下してからっぽな自分を誤魔化す中二病っぷりの序盤でハズれかなと思ったが、震災のために福島から転校してきたレイの抱えるものと向き合う終盤から比較的うまく収拾をつけて前向きなラストになっているので読後感は悪くない。震災をネタにすること自体に引っかかるところもあるが展開的には納得。2015/05/12
hnzwd
31
学校、部活、日常、、様々な理由で馴染めないと感じる主人公達が帰宅部を結成して。。一夏の成長譚としては綺麗にまとまってるとは思います。が、主人公達の持つ問題が若干生々しすぎて、苦しかったです。一人は震災被害を受けて、東京に来ている設定なんですが、、まだ震災を物語にするのはちょっと早いのかな、と個人的には感じました。2014/08/13
くろねこ
10
なんだかもっとユルい高校生の日常的なノリを期待してたらとても重いストーリーだった。。 正直序盤で読むのやめたかったけど、分厚さはなかったからなんとか読み切れた。。 《積読20》2016/11/28
zaki
9
表紙を見て面白そうと思いジャケ買いしたところ思っていたような内容ではなかった。最初から9割方話が重くて暗い気分になってしました。2013/12/02
FK
8
スカッとしたエンターテイメント小説かと思いきや、結構ずっしりと重い雰囲気が漂う作品。高校生の葛藤を震災とリンクさせる形で描写されています。いまだ癒える事のない東北の地の人々の心を思うと、震災を忘れてはいけないと考えさせられます。2015/08/15