内容説明
後ろ指をさされながら小さな田舎町で生きてきた母子。弱い母のようになりたくない一心で都会に逃げた息子が、十年ぶりの故郷でみた母のひたむきな生き様が胸を打つ「運動会」。父が亡くなった。思えばずいぶん期待外れの息子だったに違いない。葬儀のあと、息子がひとり父の書斎で見つけた小さな木箱には…。父親の愛が心に染みる「父へ」。あれほど同居を嫌がっていた母が、急に同居をすると言い始めた。戸惑う息子に語った母の愛情がせつない「母が祈る理由」。家族のやさしい愛情を描いた十篇の短篇小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キカイダー
3
いくつになっても、親からしたら子どもみたいなモノでエエ年になってもそんなモンです。まだ自分は人の親になってないんで。もし親になったら子どもに無償の愛をそれ以上のモノを与えれるんかなと不安になったりします。小さい時に、あまり体が丈夫な方でなく。よく母と病院に行った記憶があり、グズると母はゴメンなと言ってた記憶は有ります。当時はよく解らんかったんですけど。本編の(母が祈る理由)を読んでる際に涙が止まらんかったです……実家帰ってないな。……オカンに逢いたくなりました。2016/07/19
灯助
2
最初から最後まで感動短編が続くとさすがにくどかった…。こういうアンソロジーは頭から読むよりもお気に入りの一編を求めて読んだほうがいいのかも。内容と関係ないけれど最後の話が終わってから奥付に至るまで5頁も真っ白い紙が続いていて、解説を加えるなり編集でページ数の調整をするなりすればよかったのではとか、あまり手をかけられなかった本なのかな…と思ってしまった。2012/06/05
たけちゃん
1
いいね👍2013/06/18
調“本”薬局問悶堂
1
この本を読んだ2日間は電車の中で泣きっぱなし。「ん?」と思った話もあったけど。 なんでかな。こんなに泣いたのは。年頃なのかな? 久しぶりのリンダブックス。やっぱりこのシリーズ、好きだな。 《2020年7月 登録》 “仕事はなんだって簡単にはいかない。だからみんな、自分の天職を続けるために歯を食いしばってがんばるんだ。どんなに好きな仕事だって、自然につづけていける人間なんていない。みんな、その仕事をつづけるために何かを意識したり苦労したりしているはずだ。たとえ外からどれだけ自然に見えていたとしてもな。”2012/03/02
ゆみっち
1
母の愛と父の愛がたくさん詰まってました。幼い頃はうるさいな〜と思ったり放っててと、おもったことも大人になって見方が変わって親が思ってやってくれてたことを理解したときに誤解してたんだと後悔しないようにあたしも親を大切しようと思う。2012/04/22