内容説明
ともに人生を歩いてきた妻の病を知った夫はいっしょに病と闘うことを心に誓う。夫婦のあふれる情愛を描いて胸を打つ「一生のお願い」。父の入院先で出会った風変わりなおじいさんは心のなかに孤独を抱いていた。そんな孤独を癒そうとする少年を描いた「となりの発明家」。死を決意した日、私は黒ずくめの服をまとった魔女のような老婆と出会う。戦争で家族を失ったという老婆の生きざまを通じて、生への希望がよみがえる「針と糸」ほか。やさしい涙がこころにしみる12篇の短篇小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
emi
28
12のなみだにまつわる短編集。映像化しやすそうなわかりやすい話が多かったけど、短いながらもちゃんと涙ぐむ話になってます。私は、これ泣けるよと先に聞くとあんまり泣けないことが多いのですが、最後の「虹の下で」だけは涙がこぼれてしまいました。これはなみだの本ですが、再生の本とも受け取れます。一度ちゃんとなみだを流して悲しみを感じたあとは、そこからまた見えてくる世界も変化し、人は前に進む気持ちが芽生えてくるから。泣きたいだけでなく、前に進みたいときにも、希望を感じられるような、やさしいなみだの物語でした。2015/01/12
Smileえっちゃん
28
12編の短編集。短くて軽く読めるので、疲れている心が癒されます。この本は、今まで読んだ中で、うるうるが少なかったです。中で「大人になれば」「正義の味方」「針と糸」が印象に残っています。2014/09/14
Mark
20
けっこうジーンときました。短編集ですがどのお話も筋たてがよく、言いたいことが簡潔にまとめられているように思えます。切なく、哀しく、そしてほっこりとする物語でした。2014/12/27
よしりん
13
心がほっこり温かくなって涙腺が弛んでしまう短編集。今まで読んだ中で1番前向きな感じで好きかもーと思いながら読んだら最後の1編でズドーンと…(;_;) 『針と糸』と『終点の始まり』が好きだった。2015/03/11
メルモ
12
この作品は、他のに比べてウルウル率が低かったなぁ・・・。好きなのは「森と暮らす街」と「正義の味方」かなぁ2014/06/13