内容説明
幼くして逝った息子の病室を掃除する母親。息子が七夕の短冊に書いた願いとは…。母親の悲しみを描いた「七夕の雨」。自殺しようと学校の屋上に登った紗矢は、突然、知らない少女に声をかけられる。温かな希望に包まれる「屋上から」。深夜になっても帰らない痴呆症の祖父。優子は祖父の部屋にしまってあった子どもの頃の絵を見つけ…。家族の愛情を描いた「おかえりなさい」ほか。やさしい涙に包まれる12篇の短編小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
47
目頭がぶわ~っと熱くなる。鼻の奥がジーンとしてくる。そんな症状に何度も襲われた1冊。涙シリーズ初読み。まさか…本当にこんなに効き目のある1冊だったなんて驚きです。どの物語も短編でありながら丁寧に書かれている。親の立場、娘の立場、友人の立場…いろいろな角度から自分を見つめ直すきっかけとでも言おうか「自分のこれから先、本当に後悔しない?」とでも語りかけられているような気さえしてしまった。自分は、人に対して誠意をもって向かい合っているだろうか…。他の涙本も読んでみたいと思います。ちゃんと生きよう!!2011/12/07
はつばあば
37
涙もろくなったのは年のせい?。今まで育ててもらって、生きてることの有難みがズンと心に響くのです。幼い頃から病気がちで大事に育てられたのに、反抗期は一人前。私の結婚式では、しじゅう笑顔だった父に、「ホッとしたん違う」と憎まれ口を。両祖父母にひいおばあちゃん。すべてのお世話になった人の顔が走馬灯のようによみがえり、心からの感謝の気持ちが湧いて涙となったのです。たった12篇の短編に・・・人生の凝縮された愛が詰まっていました。2014/10/29
さと
28
図書館で何気なく手に取ったものの、各話の内容が気になり、結局、貸出となり、一気に読了。本書は、12話からなる短編小説集となっており、とても読みやすい構成となっております。個人的には、「お父さん」「おかえりなさい」「願い」の話がとても心に染み渡る話でした。他のシリーズもあるので、少しずつ読んでみたいと思います。2015/07/20
みぃー
28
友達からの借り本。普段自分では絶対選ばない本。「お涙頂戴的な本は好きじゃない」とひねくれ気分で読み始めたのに・・・最初の話からやられました。読み進む毎にジワジワ涙から号泣へ。特に「十五年目の祝福」「おかえりなさい」は号泣必至ストライクゾーンでした(ノД`)2013/11/18
さおり
19
泣けることを売りにしてて、わかってて読んでも実際泣けるって、すごいな。2013/06/06