出版社内容情報
みんなで考えたい
変わり続ける世界と表現のこと
近年、当事者や支援者、また研究者などの長年の働きかけによって、人間の多様な在り方、社会に根づく差別や偏見、不均衡な社会構造がより明らかになり、「ポリティカル・コレクトネス」、「DEI」、「多様性」といった言葉や、そのような視点を反映した表現に触れる機会も増えました。これらは公正で平等な社会を目指す重要な取り組みであると同時に、自分自身をも顧みなければならない側面があります。自分の表現が、あるいは自分が受け取ってきた表現が、誰かを、もしかすると自分すらも傷つけてきたのではないか? そうした問いに向き合うことは、時に痛みや葛藤、戸惑いを伴う複雑な体験です。
そんな現在の状況を背景に、本書では「人」と「世界」、そして「表現」に向き合い、制作を続ける12人のマンガ家・イラストレーターの方々に、制作のモチベーションや葛藤、日々考えていること、過去と現在における変化などを訊ねたインタビューと共に、皆さんがこれまでに制作された作品の一部をご紹介します。
さらに、「人物表象」、「障害者とその生」、「ジェンダー平等とフェミニズム」、「人種的・民族的マイノリティの現実」、「LGBTQ+とロールモデル」、「ルッキズム」という6つのテーマをピックアップし、各分野の識者の方々に「考えを深めるヒント」となる書籍やZINE、映画をご紹介いただく特別寄稿「人と世界、表現をもっと知るためのヒント」も収録しました。変わり続ける世界の中で、「表現」について改めて考えてみたり、新たな対話のきっかけになったりする、そんな1冊です。
作品紹介+インタビュー:スケラッコ/増村十七/北村みなみ/谷口菜津子/サイトウユウスケ/ながしまひろみ/木内達朗/はらだ有彩/大白小蟹/とあるアラ子/新地健郎/やまじえびね
巻末特集「人と世界、表現をもっと知るためのヒント」:山本美希/荒井裕樹/野中モモ/下地 ローレンス吉孝/潟見陽/長田杏奈
【目次】
目次 …… P.003
はじめに …… P.005
作品紹介+インタビュー
スケラッコ …… P.009
増村十七 …… P.025
北村みなみ …… P.041
谷口菜津子 …… P.057
サイトウユウスケ …… P.073
ながしまひろみ …… P.089
木内達朗 …… P.105
はらだ有彩 …… P.121
大白小蟹 …… P.137
とあるアラ子 …… P.153
新地健郎 …… P.169
やまじえびね …… P.185
巻末寄稿「人と世界、表現をもっと知るためのヒント」 …… P.201
「ヒント 1 人物表象」山本美希 …… P.202
「ヒント 2 障害者とその生」荒井裕樹 …… P.205
「ヒント 3 ジェンダー平等とフェミニズム」野中モモ …… P.208
「ヒント 4 人種的・民族的マイノリティの現実」下地 ローレンス吉孝 …… P.211
「ヒント 5 LGBTQ+とロールモデル」潟見陽 …… P.214
「ヒント 6 ルッキズム」長田杏奈 …… P.217
参考文献 …… P.220
目次
スケラッコ
増村十七
北村みなみ
谷口菜津子
サイトウユウスケ
ながしまひろみ
木内達朗
はらだ有彩
大白小蟹
とあるアラ子
新地健郎
やまじえびね
人物表象(山本美希)
障害者とその生(荒井裕樹)
ジェンダー平等とフェミニズム(野中モモ)
人種的・民族的マイノリティの現実(下地ローレンス吉孝)
LGBTQ+とロールモデル(潟見陽)
ルッキズム(長田杏奈)
著者等紹介
スケラッコ[スケラッコ]
マンガ家、イラストレーター。愛知県名古屋市生まれ、多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業後、デザイナーとして勤務ののちフリー。2013年短編マンガ「大きい犬」でデビューし、作品発表を開始
増村十七[マスムラジュウシチ]
マンガ家。2012年「のんちゃん!の破壊日記」で商業誌デビュー。同年「ワニを飼う」で講談社第32回「MANGA OPEN」奨励賞。2015~2017年カナダ・マニトバ州ウィニペグに滞在。2016年からSNSで発表を続けていた「バクちゃん」オリジナル版で、2018年に第21回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞。自著に『バクちゃん』、『花四段といっしょ』(「このマンガがすごい!2023」オンナ編第12位)
北村みなみ[キタムラミナミ]
アニメーション作家、イラストレーター。愛知県名古屋市生まれ。静岡県戸田村にて海と山に囲まれ育つ。多摩美術大学造形表現学部卒業。近年はマンガ、書籍や雑誌などの装画・挿絵、アニメーション、MVなどを多数手がける。著書に、マンガ『グッバイ・ハロー・ワールド』(第25回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品、第26回手塚治虫文化賞新生賞候補)、『あさってのニュース』、作品集『宇宙(ユニヴァース)』など
谷口菜津子[タニグチナツコ]
マンガ家、イラストレーター。1988年神奈川県生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科情報芸術コース卒業。2013年にブログ連載のエッセイマンガ『わたしは全然不幸じゃありませんからね!』(エンターブレイン)で初の著書を出版し、現在まで書籍・雑誌やウェブ、マンガ、展覧会開催など、幅広く活動している。2021年刊行の『教室の片隅で青春がはじまる』と『今夜すきやきだよ』で第26回手塚治虫文化賞新生賞、2024年刊行の『じゃあ、あんたが作ってみろよ』で「CREA夜ふかしマンガ大賞2024」第1位、「このマンガがすごい!2025」オンナ編第4位を受賞
サイトウユウスケ[サイトウユウスケ]
イラストレーター。1978年生まれ。2003年バンタンデザイン研究所イラストレーション専攻卒業後、フリー
ながしまひろみ[ナガシマヒロミ]
マンガ家、イラストレーター、絵本作家。1983年北海道生まれ。日本大学藝術学部デザイン学科卒業。広告制作会杜やメーカーなどでデザイナーとして勤務後、2019年6月よりフリー。書籍装画、絵本や児童書、教科書、ロゴマーク、キャラクター制作など、幅広い仕事を手がけている
木内達朗[キウチタツロウ]
イラストレーター。東京都生まれ。国際基督教大学教養学部生物科卒業後、生物学の理想と現実のギャップから渡米し、イラストレーションを学ぶ。アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン卒業。書籍や雑誌、絵本などアメリカの新聞メディアをはじめ、代表的な仕事に2006年イギリス・ロイヤルメール・クリスマス切手、2007年スターバックス世界展開ホリデーキャンペーンなど
はらだ有彩[ハラダアリサ]
イラストトレーター。1985年兵庫県生まれ。京都市立芸術大学で壁画を学ぶ。2018年に刊行され一躍話題となった『日本のヤバい女の子』から、最新刊の自著『「烈女」の一生』ではいずれも文章と絵の両方を手がけている。その他の仕事に「『パルコを広告する』1969-2023PARCO広告展」ゲストキュレーター、書籍装画など。2014年よりデモニッシュ(悪魔的)な女の子のためのファツションブランド“mon.you.moyo”代表
大白小蟹[オオシロコガニ]
マンガ家、イラストレーター。1994年沖縄県生まれ。2019年筑波大学大学院人間総合科学研究科芸術専攻修了。2015年にコミティアに参加し始め、マンガやイラストレーション、絵本の制作を行っている。デザイン事務所にてエディトリアルデザイナーとしての勤務を経て、2021年よりフリー
とあるアラ子[トアルアラコ]
マンガ家。1983年東京都生まれ。2014年より現名義でブログ開設、マンガ制作などの活動を開始。『ブス巣なんて言わないで』は、『このマンガがすごい!2023』オンナ編第7位、2024年第29回手塚治虫文化賞・マンガ大賞最終候補作品となった。2025年第54回日本漫画家協会賞・“まんが王国とっとり賞”受賞
新地健郎[シンチケンロウ]
イラストレーター、デザイナー。1983年鹿児島県生まれ。多摩美術大学絵画版画専攻卒業。2016年よりフリー。雑誌や書籍、教科書、PR誌、ウェブ、パッケージデザインなど幅広い仕事を手がけている
やまじえびね[ヤマジエビネ]
マンガ家。1965年東京都生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。大学在学中より『Lala』でマンガの発表を開始。『女の子がいる場所』で、第27回手塚治虫文化賞短編賞を受賞、「このマンガがすごい!2023」オンナ編第4位にランクイン(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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